読むと無性にナポリタン食べたくなる。ケチャップは加熱するとコクが出て「玉ねぎやピーマン、ウインナーを麺と一緒に油で炒め合わせることで、すべての旨味が一体化する」/イタリア人の僕が、マンマに内緒で「ナポリタン」を崇拝する理由。考案者はマジで天才だ|マッシ https://t.co/KZ3qHt7msu
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昔母親が喫茶店を経営していたこともあり「ナポリタン」は自分のとっては「母の味」の一つだし、やはり時々無性に食べたくなる料理の一つなんですよね。日本に良くある「地元料理っぽいけれど地元には存在しない、日本の魔改良料理」の一つ(笑)。こと、スパゲティに関して言えば、ナポリタンだけで無く、タラコパスタとか和風の醤油味のパスタとか、さらには「カルボナーラ」なんかも、日本独自の変更が加えられていて、例えば地元では加えないベーコンとか入れるのは邪道らしい(最近、そんな騒動がありましたよね)。
昔の「スパゲティ」と言えば、このナポリタンか牛挽肉をトマトソース等で煮込んで作った「ミートソース」の2種類位しか無かったんじゃ無いだろうか。ミートソーススパは、こちらも美味しいのだけれど、子供心に不満だったのはパスタの上に掛けられた「ミートソース」の量の少なさ。肉の部分もそうだけれど、煮込まれたトマトソースの汁気が殆ど無いので、最初は良いのだけれど、半分位食べると肝心な「ミートソース」の「ミート」が無くなってしまい、お皿に残ったミートソースの油やトマトソースに無理矢理麺をこすりつけて味を移して食べていたなぁ(笑)。その点ナポリタンは最初から全体に味付けがされているので、安心して最後まで食べられます。ただ、ミートソースに比べて「肉感」がウインナーソーセージだけというのが、子供心に不満だった気もする。
YouTube等を見ていると、この手の「魔改造スパゲティ」を日本に来たイタリア人が食べて、最初は「なんだこれ」状態なんだけれど、段々とその味に嵌まって行くみたいなパターンが多い気がします。個人的に不満を感じるのは、ナポリタンを説明する時に「スパゲティにトマトケチャップを掛けたもの」みたいな大雑把な言い方をするから、イタリア人は単なるケチャップ和えみたいな印象で「怪しからん」と感じるんじゃ無いだろうか。例えばトマトソース系のスパゲティも、トマトソースや生のトマトをよく煮込んでソースを作るけれど、ナポリタンだってトマトケチャップをベースに使うけれど、それを使って具材とよく炒めてスパゲティに絡めるもの。行ってみれば、オリーブオイルにニンニクや鷹の爪を入れて味や風味を移すみたいに、トマトケチャップを焼いて酸味を飛ばして甘みと旨味を凝縮させるところにナポリタンの肝があるわけで、それを実際に体験するとイタリア人と言えどもはまる人も多いのでは。
ナポリタンは誰もが認める「洋食」の一つなんだけれど、所謂昔からの「和食」である煮物とか煮付けとか醤油系味噌系の味付けの群よりも 、インバウンドの人には取っ付きやすい群じゃないだろうか。和風ハンバーグとかの肉料理、トンカツやチキン南蛮みたいなの揚げ物系、そう言うものの一分類に「スパゲティ類」みたいなカテゴリーがあっても良いかも。あと、洋食系だと日本でもナイフ・フォークで食べる場合が多いので、インバウンド人も不慣れなお箸で食べるよりも食べやすいだろうし。「ナポリ」と関係無いのに「ナポリタン」は、天津には無い「天津飯」クラスの、日本の魔改造料理だと思う(笑)。