政府高官による「日本の核保有容認論」が批判されているけれど、どうも「核保有する」という意味が、どの程度の内容・方向性なのか良く分からない記事ばかり。その発言はメディア等とのオフレコ取材での場の発言という事で、本来ならば表に出てこないはずの内容ですが、危機感を抱いた一部メディアがオフレコを破り報道した、ということらしい。以前も似たような事例が有ったと思うけれど、本来は「オフレコだから忌憚の無い意見交換をする」みたいな意義があると思うけれど、了解も無く記者の判断でオフレコ破りされるのであれば、今後はこういう機会はますます減るのかも。政府としても、オフレコでこちらの温度感みたいなものを知った上で、公の取材なり報道なりをして貰うことを目的にしているんだろうけど、そう言う事も判断出来ない人材しかメディアには残っていないという事なんだろうか。
自分が探した記事の中では、この時事通信社の記事が一番纏まっているように感じたんですが、そもそも「核保有」というある意味日本では禁句の言葉がどういう経緯で出されたのか、その前後の文脈が分からないと、単なる過激的な発言なのか、色々な事例想定をした場合の一例なのか、それによって印象はかなり変わると思います。時事通信社の記事やその他の報道内容を読む限りでは、
- オフレコのメディアとの懇談会という場で、
- 日本を取り巻く安全保障が厳しさを増す状況に対して、
- 個人的な意見と前置きをして、
- 日本も「核保有」を安全保障の一つとして考える必要が有る、と言う文脈で言ったらしい
- ただし、政治的コストの高さや国民の意識から、高市政権での実現は難しいし高市内閣でそういう議論がされているわけでも無い
- 米国の「核の傘」による「(周辺保有国の)拡大抑止」が最も現実的という認識
個人的に感じるのは、先の「存続危機事態」議論に似ているなぁということ。存続危機時対議論も、台湾有事という可能性の高い事象に対して、どの様な場合に日本が米軍との共同行動を取るのかという話の一例として出てきた物で、それを誤報とも言える伝え方をした朝日新聞の見出しを駐日中国大阪総領事の過激な反応になり、そこから中国が認知戦みたいな事を仕掛けてきています。今回も、最悪のケースを想定した話のように私は感じるし、でも現実的にはこれまで政府答弁として民主党時代に岡田外務大臣の発言を踏襲しているわけで、特に問題発言とは感じない。但し、タイミングが悪かったですよね。存続危機時対発言で中国はあの手この手で日本を攻撃しているときに、絶好の材料を与えてしまったことは確かですから。
このニュースを昨日の夕方のローカルニュースでも取り上げていて、3人のコメンテーターが意見を問われました。それぞれ現政権に対しての立場も異なる3人でしたが、ビックリしたのが3人ともその内容に対しての是非は別として、議論することは必要という点で一致していたこと。考えてみたら、ロシア、中国、北朝鮮が核保有をしているわけで、日本の西側には「核の壁」が出来ているわけですよね。しかも、韓国だって隠れて核開発しようとした前科があるわけで、そう言う意味では日本は唯一の被爆国と言うけれど、現在は世界で一番核の脅威と隣り合わせた地勢にある国とも言える気がします。そういう状況にいるからこそ、最悪のケースを想定した最善の対策を常に考えることは必要だと思います。それを一部の言葉や事例を理由に全否定することは、機能停止というか単なる無責任行為だと思う。今回のオフレコ破りをして伝えるのであれば、「政府高官が発言した」というスキャンダル的な取扱方では無く、「どういう危機感からの発言なのか」「その実現性はどれだけ高いのか」「保有以外の対策はないのか」という議論に繋げてこそのメディアではないのかな。そう言う意味では、国民民主党の玉木雄一郎代表の意見は至極真っ当なものだと思います。
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