ITmediaの記事から、酒造りでのミスを何とかリカバリーするだけで無く、新たな成長エコシステムに迄昇華した、千葉県酒々井町の酒蔵「飯沼本家」の記事。藏のフラッグシップとも言える日本酒の樽に、間違ってたの材料を投入してしまい、予定していた製品の予約を中断するとともに、そこからどの様にリカバリーしたかという「失敗から学ぶ成功事例」の典型。
作る製品の内容や種類は違っても、「物作り」「製品開発」みたいな場所で仕事をしていると、似たような事例は幾らでもありますよね。思いだしてみたら、日本のノーベル賞を受賞した研究って、結構失敗とかミス(しまい忘れて放置して、みたいな)から生まれてきたものって、結構多いんじゃ無いだろうか。こう、理詰めで製品プランを磨き上げて、これこそ傑作と思って世に出したら全く当たらないというのは「開発あるある」なんだけれど、その片手間に作ったような製品の方がヒット商品になったりして。
記事を読んでいて感じたのが、多分この酒蔵の組織としての完成度の高さというか、想像するに経営者や全体の年齢層が若い感じがするんですが、それ故のフットワークの軽さも失敗をリカバリーするだけで無く成功へと導く理由の一つだと思いますね。20分の会議でスパッとミスを認めてそこからどうするか素早く決定するのは、簡単に見えてかなりの決断が必要だと思う。だってそこで廃棄するのが一番簡単で、廃棄費用も掛かるけれど少なくとその経済損失は判断出来るわけだから。でも、何とかリカバリーしようとしたら、どれだけ期間が掛かる河原ないしゴールにたどり着けるかすら不明。また、その為の費用がどれだけ掛かるかも分からないし、やはりかなりの賭けだと思う。
もう一つ感じるのは、この酒蔵が販売店から直ぐに理解を得て、作った商品を世の中に送り出す経路もしっかり確保されていたし、そこに販売店なりの付加価値(製品の背景説明)を付ける事からサポートしてくれるところ。これはやはり日頃の酒蔵と販売店の信頼構築の賜だと思う。そういう関係が出来るだけの営業や協業をやっていた・出来る・継続しているという見えない財産が一番の資産かもしれない。さらには、リカバリー出来るだけの当時の技術や製品として仕上げるデザイナー等の能力など、やはり「組織」としての体力や知力もそれなりに無いと成功に繋げることは厳しい。仕事だけで無く、個人の生活にしても色々な経験や知識に情報源、さらにはそういう道のことに対して恐れない好奇心やフットワークの軽さなど、凄く通じるところがあると思う。自分も、そういう知的好奇心を失わず、かつ失敗上等くらいの挑戦者精神、開拓者精神みたいなものも、実年齢とは関係無く維持するだけで無く高めていきたいですね。