昨日公開された第三者委員会の報告書とその会見。さらにそれを受けてのフジテレビの会見の様子を、全部ではなくつまみ食い程度ですが見ていて感じたのは、予想以上に厳しい内容でかつ今回の中居氏の事件から多方面に問題点を指摘していたこと。たまたま観ていた夕方の日テレの報道番組で、コメンテーターとして出演していた大学の先生も「ここまで厳しい内容とは予想していなかった」というようなコメントを何度も繰り返していて、予想を超える内容であったことは確かだと思います。
全部を確認したわけではないので誤解している部分もあるかもしれないけれど、今回の直接の事件となった中居氏とフジテレビ社員A氏とのトラブル自体は「性被害」と確認され、その直接の行為に荷担したフジテレビ関係者はその時点ではいないが、そこに至るまでにそういう状況や関係性を醸成したことは事実で、そう言う意味ではフジテレビの組織的問題も原因である、と言及。それ故に、当時の港社長や取締役会の機能不全も指摘されていて責任も追及されているのは仕方ないか。またちょっとビックリしたのは、今回の中居氏の件だけでなく、少なくとも2件のハラスメント事案が確認されて、そのうちの一つはBSフジのプライムニュースの名物MCとして有名な反町氏と言う内容には驚きました。その為か昨日の出演は無かったみたいですが、今後の責任なり説明なりでこちらはこちらで揉めそう。
会見の内容を聞いていて感じるのは、確かに在京キー局の中ではバラエティに力を入れていて、局内の雰囲気・空気も自由な印象を受けるフジテレビだけに、演者と放送局の境が曖昧で、良くも悪くも是々非々という意識が足りなかったことはあるかなと。一方で、中居氏はフジテレビにだけ出演していたわけでは無いし、他局でも同様に存在感のある演者だったし、解散したとは言え国民的グループの一人だったわけで、その影響力というのは何処の放送局や制作会社に対しても同様だったのでは。その中で、出来るだけ中居氏に気に入られて有利に仕事を進めたいと制作サイドは思うだろうし、その為には色々な対応を考えたであろう事は想像に難くない。中居氏だけでなく、同様の存在感のあるタレントさんは多数存在するわけだし、それこそ昭和から平成に掛けてはそう言う「武勇伝」的話も表で自慢げに披露する人もいたわけで、そう言う意味では第三者委員会の中でも指摘されていたけれど業界全体の問題という指摘に対してはメディアや関係者は深刻に考えるべきでしょうね。また、メディア界だけでなく、どの組織会社でもありうる話だと思う。ただ、そういう理由もあるのか、前回の10時間を越える会見やその後の扱い方と比べると、メディア各局・各社の今回の扱いはかなり消極的というか、少ないなと感じます。
本筋とは関係無いのだけれど、会見の中でフジテレビの事を略称として「CX(しーえっくす)」としていたのは何故だろうか。元々は、各放送局に割り当てられるコールサインで、フジテレビが「JOCX」 。日本テレビが「JOAX」でフジテレビが「JOCX」だから、TBSは「JOBX」かと思うと、TBSは「JORX」と膝かっくん(笑)。「JO」が固定部分で、その後2桁にA~Zのの組合せで固有のコールサインが発行されますが、一般的には馴染みがないもので、しかもコールサインの「CX」を略称として使用しているのはフジテレビ以外記憶にありません。大阪の芸人さんが、NHKの大阪放送局が「JOBK」なので「BKさんが」みたいな言い方をしていることを聞いたことがあるくらいかなぁ。あっ、テレビ東京も「JOTX」なので「TX何々」という言い方をしているくらいでしょうか。(TXと聞くとつくばエクスプレス...) フジテレビの場合は、結構「CXが~」という言い方をするし、されるので今回も使用したんだろうけど、ちょっと意外でした。フジテレビとしては、かなりの努力がこれから必要になることは事実だけれど、しっかりと結果を出して行くことが、被害者の女性に対しての償いにもなるだろうしそれが彼らに課せられた責任ですからね。
[追記] 後から知りましたが、社員に対しての聞き取り調査では、局内だけで無くタレント、制作会社/プロダクション、さらにはスポンサー企業からのハラスメント的行為が言及されていて、今広告出稿を控えている企業も本当に「シロ」なのか疑問を感じる部分も。今回の件ではフジテレビが中心だしフジテレビの責任が大きい事は事実だけれど、やはり業界というかそこに繋がる全ての組織・企業に対しての検証が必要なのではと感じます。