2026年7月1日

オールドメディアのデジタル化

選挙ドットコムちゃんねるの、今野忍氏と下矢一良氏のコンテンツの中で、今後の新聞社の生き残り戦略の話があり、これが個人的には興味深く感じました。毎日大量の記事情報を編集して、それを何百枚と「新聞紙」に印刷し、それを全国の拠点に配送して、それぞれで広告などを挿入してから、ここの契約者宅へと配達する。考えてみたら、凄くアナログな作業が連続しているビジネスな訳で、今の時代よく存在継続しているなと感じます。会話の中では、コンテンツのデジタル化(Web化)の話も出てきたけれど、日本では日系新聞以外成功していないのは、 「日経=経済情報」のような、キラーコンテンツというか「コア・コンピタンス(Core Competence)」が無いからと言うのは納得出来る理由。

今では「オールドメデイア」の代表みたいな扱いの朝日新聞ですが、動画の中でも指摘されていたように、Web化は一番早かったんですよね。199年代後半にアメリカに何度も出張していましたが、向こうから日本の情報を知るためにアクセスしたのが「asahi.com」。と言うか、最初の頃は朝日新聞以外の新聞社のサイトも無いような状況で、まだアナログモデムを繋いで14.4Kbpsとかで接続していた時代でしたから、海の向こうのサイトにアクセスするのも一苦労。ですから朝会社へ出社して社内ネットワークに接続すると、まずは朝日新聞のサイトにアクセスして、その日の日本の情報を仕入れるのが毎朝のルーティンでしたね。

オールドメディアのデジタル化のアイデアとして、毎日大量に生まれてくる「取材情報」、特に各大臣や用心がメディア向けに発言したものをAIに入れて、政治関係のAIデーターベースみたいなものを有償で解放するというのは中々良いアイデアだと思います。新聞記事として掲載されるのは、そういう情報の本当に極々一部な訳で、殆どの情報は担当者しか知らないままに死蔵されて消えていくだけ。中には貴重な発言や、複数の情報を比較すれば実はスクープのネタに繋がる関連性とか見つかるかもしれないわけで、結構内部的にも有力な武器になると思います。ただ諸刃の剣になりそうなのは、そういう一次情報にアクセス可能になると、そこから新聞社が編集して公開した情報との「差分・差異」も明らかになるわけで、そこにその新聞社の方向性とか目的が見えてしまう。また、過去記事との整合性等も一瞬で判別できるようになるわけで、正直自分で自分の首を絞めるようなビジネスには手を出さない気がする。

「フィジカルAI」は、AIが物理的・機能的なアウトプット手段を持つことですが、同じ様にAI自身が様々なセンサー、少なくともカメラとマイクに常に接続していて、自分の周りの環境情報をインプットする手段を持つ時代も直ぐにやって来そう。例えば記者の取材の時には、録音用のマイクロテープレコーダーを発言者の前に置くのは見慣れた光景ですが、それをスマホに変えて動画撮影した情報をそのままAIに流せば、文字起こしは出来るし発言内容の保存も出来るし、何ならそこから短い短信にまとめるところまで今の技術でも簡単に実装できそう。それこそ、スマートグラスが普及したら、自分が今見聞きしている対象がそれと同じ形で録画録音出来るわけで、文字通り「WYSIWYG(What You See Is What You Get)」が実現される社会はもう直ぐ横にまで来ていると言って良いのでは。そう考えると、通信社(共同通信や時事通信)の役割って、一番AI化向きなのかもしれない。動画の中では、生き残れるのは個性で日経、部数で読売、役割で共同通信という話でしたが、その共同通信社も危ないかもしれないし、読売も内容次第でどうなるか。日経だって、様々な経済指標を読み込むAIが出来たら結構危ないかも。

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