ここ最近、中国での二足歩行ロボットの話題が増えてきています。何重もの企業による熾烈な競争や、国策としての支援もあってか中国での「二足歩行」能力が凄い勢いで向上している様子を見ていると、HONDAのASIMOで止まっている日本のロボット事情が悔しいような、悲しいような、残念なような、要するに複雑な心境に。 ほんの数年前までは、「二本足で歩く」ことすら苦労していたロボットは、歩くだけで無く走ることも出来るようになり、さらにはジャンプしたり回転したり、程度は不明だけれど人間の代わりに工場での作業を代替するような場合も。既に「二足歩行ロボット」では、中国の一強は確定のようで、二本は別の道筋を模索する様子。
子供の頃から、鉄腕アトムとか鉄人28号とか、人型ロボット、二足歩行ロボットの中で育ってきた世代ですから、自分が大人になる頃には実用化されているもんだと思っていたけれど、まだまだそれは遠い未来の光景。中国での二足歩行ロボット技術は確かに凄いと思うけれど、正直なところまだ「可能性の提示(PoC)」レベルのような気がする。実際日本からは、二足歩行ロボットの開発を通じて、関節強度などでまだ技術的な問題が多く、「二足歩行」に拘らない所謂産業用ロボットからの「フィジカルAI」という方向性を模索しているらしい。それはそれで日本としては賢明な選択だと思うけれど、だからと言って中国の今のロボットも重要な技術なんですよね。
私が一番今日と感じるのは、苛烈すぎる過当競争が技術の開発スピードをどんどん加速して居るであろう事。開発とか製造の現場は、ミスとか失敗してそれをどう改善するかで将来が決まるような部分も大きく、昔はだから何度も試作をして製品の完成度を上げたもの。その分、時間もお金も掛かるけれど、それが許されたのがバブル時代でした。中国の場合は、多数のライバル企業の競争に、国の資金や指導が入るから、日本の何年間というサイクルが数ヶ月出回っている感じ。ソフトウェアの世界でも「アジャイル」で作りながら完成度を上げていく手法が今では標準的だけれど、ロボット開発でも似たような状況に有ると言えるのでは。流石に、そのまま製品として世の中に出して問題発生したら大変なので、そこは政府の抑えが幾らでも効く中国でしか出来ない隠し技だと思うけれど。ただ、そうやって加速度を増しながら完成度を上げるとともに、生物の進化と同じ様に「突然変異」みたいな新技術が生まれる可能性も高まるわけで、日本だって可能ならば中国の体制を見習うところは多いと思います。
あと、中国での開発内容はどうしても閉ざされた中で進む場合が多いのですが、それでも結構外部に出てくるものも多いわけで、日本はそう言うものを上手くピックアップして日本人が得意な「魔改造」していくのも「有り」なんじゃ無いかとも思うわけです。例えば、今はロボットの課題とされている関節構造も、ロボットでは耐久性や自由度で問題があっても、それを人間の人工関節に応用したら、100%では無いけれど現在の技術よりもかなり有効な物が生まれないだろうか。また、素人考えながら、関節のような大きな部分も重要だけれど、同じ関節でも例えば指先とか手の構造や動作を人間の動きに近づける方が、実社会への応用としては可能性は高くなるんじゃ無いだろうか。今の技術だと、ものを掴んだり話したりは出来るけれど、例えば指と指で撚る動作とか、それこそマジック出来るくらいの「微妙な動き」が出来たら、より精密な機器の製造にも投入できるだろうし。中国の後追いは難しいし厳しいと思うけれど、そこから美味しいところをつまみ食いするくらいの気持ちで評価したら、結構面白いものが生まれそうな気がします。それ位の余裕は必要ですよね。
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