2024年4月19日

粉瘤(アテローム)

最初に見つけたのは、もう20年以上前でしょうか。毎年行われる会社の健康診断で、医師の問診を受けていたとき、心音の検査のために上着を脱いで上半身裸になり、正面や背面を見ていたお医者さんが「あれ」みたいな事を発してちょっとビックリしました。で、背中の肩甲骨の間の首の付け根の下辺りを押しながら、「ここ痛いですか」と聞きます。押されている感覚はありますが、痛みはないので「痛くないです」と言うと、「ここ触ってみて」と言います。手を背中に回して触ってみると、何かぶよぶよした感触が。大きさは自分の親指の爪くらいでしょうか、触れた感覚はそれ位のサイズのプチプチ(緩衝剤)を触っている感じです。それまで全くそんなものが出来ているとは知らなかったので、大丈夫ですかと聞くと、特に痛みが無ければ良性のイボみたいな物だからこのままでも問題無いとの回答。で、以後それを信じてそのままにしていました。

場所が場所だけに、服を着れば隠れて見えなくなるし、鏡を使ってもなかなか様子はよく見えない場所。そんなわけで、自分でも忘れることも多かったのですが、数年前くらいから中の膿が染み出てきてるんでしょうか、時々匂いがするようになり、それから入浴したときは勿論、毎朝消毒というかウエットシート等で拭いて清潔に保つようにしていました。ただ、触ってみると以前よりも大きくなっているように感じて、それがちょっと気になるところでした。それが先日ハワイへ行った時、旅の疲れや時差ぼけも影響したのか、急にその部分に痛みを感じるようになりました。 何て言うか、背中の部分に袋状に膨らんでいるんですが、中身が増えすぎてパンパンに張っているので、袋の端の部分が突っ張ってヒリヒリするような感じ。更に鏡で確認して見ると、その部分が赤くなっていてサイズも以前観たときよりも二回り以上大きくなっている感じです。結局ハワイに居る間はそんな感じで、それは帰国してからも変わりませんでした。流石にこのままでは不味いだろうと、帰国して直ぐに皮膚科の予約を取り診察してもらいました。

患部を見たお医者さんは「これは酷いなぁ」と開口一番。直ぐに患部に麻酔を打ってから、皮膚を少し切開すると、そこから中の膿というか老廃物というか、要するにニキビの中身みたいなものを押し出して取りだしてもらいました。10分位何度も周りから押して出していたかなぁ。「これだけ出たよ」と見せてくれましたが、大きな梅干し位たっぷり中身が出てきたようです。ただ、全部が絞り出せたわけではないので、数日後にまた様子を見ることに。それまでは自分で絞り出してくださいと言われました。翌日自分で背中に手を回してやってみると、まだ患部から出血していますが、さらにニキビを潰したときにニョロっと出てくる白いものみたいなものがまだ出てきます。で、お医者さんがやると、さらに大量に出てきてビックリ。そんな状況が一週間位続いて、出血は止まり中の老廃物みたいなものも、固形物は出無くなりましたが膿というか体液というか、それはまだ少し滲むくらいになりました。一昨日病院へ行ったときには「大分良くなったので、もう一週間軟膏を塗って様子を見て、それで膿とか出無くなれば終わりです」と言われて一区切りつきました。

実は、少し前まで頭の右後頭部から首筋に掛けて、時々痺れるような感じになることが頻繁にありました。あと、首の付け根辺りが妙に堅くなると言うか、どうも血行が悪くなっているような状態が暫く前から感じるようになっていました。それが、この粉瘤を治療してコブが無くなったら、以前はそれなりの頻度で感じていたそれらの症状が、今の所全く出てきません。場所が丁度背骨の上辺りで首の付け根と言う事で、若しかしたらこの粉瘤の膨らみが神経とか血管とか圧迫して影響していたのかと個人的には感じています。ただ、これで完治したわけではなくて、その老廃物等が溜まる部分は袋状に残っているので、そこに再び蓄積されて同じようにコブ状に再発する事があるようです。ですから完全に治療するためには、形成外科で外科手術をして、その袋状の部分を切除しないといけないらしい。そうならないことを祈りますが、もし再発するようになったら、今度は少しでも膨らんできたら直ぐに切除して貰うつもりです。20年前に、もう少し疑り深ければ今こんな苦労をする事も無かったのになぁと、ちょっと悔やんでいます(笑)。

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