2021年6月21日

残した課題

昨日の静岡県知事選挙は、現職の川勝平太知事が30万票余りの大差を付けて当選。これで4期目となるわけですが、最大の課題は現在揉めている「リニア問題」にどう決着するかでしょうね。と言うか、当初の開通予定を考えると、すでに間に合わないことはほぼ確実で、その影響は大きいと思うのだけれど、今の所解決策の糸口すら見えない状態。

静岡県側は、トンネル掘削により流出する地下水を100%元の大井川へ環流する事を要請。流域県民の死活問題として一歩も譲らない態度がずっと続いています。一報のJR東海側は、幾つかの対策案を提示するものの、「100%」の確約は出来ないのであの辺り曖昧なところもあるんでしょうね。一度は、県知事とJR東海社長のトップ会談も行われて、和解・解決に向かうかと思われたのに、県側の態度が変わらなくて元の木阿弥に。可能性のある解決策は、県側が何らかの譲歩をして100%の環流要求から閾値を下げて妥協するか、JR東海側がトンネル掘削を諦めて静岡県を通過(掠める)コースを通らないように変更するかの二択しかない気がするんだけれど。

後者の場合は、すでに静岡県以外の場所では工事が進んでいるから、これからコース変更するにはさらに時間が掛かるでしょうね。新しい土地の環境調査や買収の時間も、1年2年じゃ無いだろうし。それに、大きく静岡県の北側の取ったん部分を迂回するようにコース取りすることになるだろうから、その分距離も伸びて東京(品川)-名古屋の運航時間も影響してくるだろうし。JR東海にしても、南アルプスの山を貫通するトンネル掘削の大変さと、それを迂回するコースとを比較検討してトンネルを選択したのだろうから、迂回コースが有利と言う事も無いだろうし。

となると、トンネル工事中に排出される地下水とトンネル開通後の水資源の担保をどの様にJR東海に要求して、互いに妥協点を見つけるかしか事実上の解決策は無い訳ですが、これまでの県とJR東海との話合いの様子を見ていると、県としては100%からの妥協は出来ない気がするんですが。唯一可能性があるかなと思うのは、JR東海は「100%の環流」を了承して県の顔を立て、県は「ただし、将来的にその実現方法に関しては必要に応じて話合いを最適な方法を選択する」というような余地を残すしてJR東海の顔を立てるような、玉虫色の解決策しか無いと思うんですよね。でも、それってこれまでも何度も話合いの場で出されていた話な訳で、それを認められないと、けんもほろろに拒否してきたのが静岡県側だと思うのですが。これからの4年間で、県として色々な問題が出ては解決されていくのだろうけれど、このリニア問題は解決されるのだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿