2021年4月9日

裏の構図 (3)

まだ収まらない、JR伊東線来宮駅での電動車いすのアシスト問題。反響が大きかったのか、その後「補足」と言う形で、批判内容やより詳しい説明もBlogにアップされているけれど、それで疑問が解決したかというと逆に「いゃ、何のために行ったの」という疑念が深まるばかり。最大の疑問は、来宮神社あるいは来宮周辺のレストランや宿泊所へ行くことが目的であるならば、駅利用するよりも便利そうな多の方法があるのに、何故そちらを利用せずにわざわざ手間も時間も掛かる来宮駅での下車を選択したのか、ということ。

実は、最初は小田原駅から来宮駅まで直通電車を利用したかったのかなと思ったんですが、この駅は基本普通電車のみ停車する駅で、したがって熱海駅で新幹線や東海道本線から伊東線への乗換が発生します。伊東線の下田方面行きは、1時間に1~2本程度ですが、熱海駅から来宮方面行きのバリアフリーバスは、2~3本程度は出発しているので、利便性でも接続性でも熱海駅からのバス利用の方が有利。唯一の難点は、電車なら熱海駅まででも来宮駅まで同一料金ですが、熱海駅でバスを利用すれば、その分のバス運賃が余計に掛かることでしょうか。ただ、バスであれば、今回の目的地である来宮神社前、あるいは先にレストランやホテルへ入るのであれば、木宮周辺でのバス停も幾つかあるので、JR来宮駅まで行ってそこから移動するよりも負担は軽くなるでしょう。仮に、最初の目的地が来宮神社なのであれば、まさにその入口までバスで移動出来るわけですから、JRを使用するよりもよほど楽なはずです。

もう一つ疑問な事は、往路では駅情報もちゃんと調べず、事前の支援依頼もしていないのに、来宮駅らか戻るときには事前に連絡して支援要請をしている。元々の主張は、健常者がわざわざ事前連絡しないのに障害者はそれが必要な事は差別だという話だったと思うのですが、その行為は矛盾しているように感じます。戻るときには前日に連絡できるのであれば、行くときにも前日に連絡をしていれば、理由は不明だけれどJR来宮駅での支援も問題なく受けられたはずで、結局は自分で問題を広げているだけのように感じます。そこに多くの人が不信感を感じるんじゃ無いだろうか。

障害を持っている人や、何らかの理由で通常の設備利用が難しい人が、必要な支援を受けることは当然だと思うし、その為の努力は様々な方法で行われるべき。そう言う意味では、駅のバリアフリー化も重要な対策の一つだと思うけれど、やはりその為にはそれなりの時間とコストが必要なので、全てを一度に全部というわけにはいかないことも事実。今回の件で色々調べてみて感じたのは、このJR来宮駅は整備されたJR熱海駅からも近く、また地元バス会社やタクシー会社の対応も熱海駅から期待出来るので、各駅にエレベーターなどを設備する前に、熱海駅と来宮駅を一つの駅・地域みたいな感じでカバーしようとしているのでは無いかという事。それがベストかどうかは人それぞれだと思うけれど、地理的条件を考えたら当座の対策としては必要十分な努力をしていると思います。それに、来宮駅も含めたバリアフリー化の計画は数年前から市議会などに諮られているそうで、そう言う意味では全くないわけではない。例えば来宮駅の利用者で困っている人がいて、その人の声を広げるために実際に利用してみました、というのであれば意味のある行動になったと思います。でも、「沖縄に行けなくなったから、たまたま行くことにした来宮駅でこんなことが」というところから、終始疑問を感じる内容が続き、TLの中にはバリアフリーカーを手柄にして選挙に出るのではという話も出されているけれど(社民党の理事でもあるから)、「さもありなん」と納得出来てしまう行動は、本人にその意図が無いのであれば、その主張拡散以上に自身の評価を下げることになったと思います。正義のためなら、正しい事のためなら何でも許されるわけでは無いのは、個人の自由は保障されているけれど、それは何でも許されるという事では無い、と同じ事。そのくらいの分別が無い事が、今回の騒動の最大の理由なのかな。(続く...)

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