2021年4月9日

転ばぬ先の杖

毎日新聞が取り上げている、 東京2020用に準備された警察官仮設宿舎を、新型コロナウイルス感染者の軽症者向け施設に改修したが、結局使用されずに改修費用48億円が無駄になったと伝える記事。どうやら毎日新聞社には「転ばぬ先の杖」という諺は存在しないらしい。

昨年の4月と言えば、いったん収まったかのように見えた新型コロナウイルスが再び拡大し始めた頃で、当時はまだ原因も分からずワクチンの目処も立たず、基本的に陽性者を隔離して感染拡大を防ぐしか方法は無かったわけで、そこでの問題は全員を入れるだけの病院施設も不足していたこと。だからこそ、一般のホテルに軽症者を収容して、病院リソースを重傷者に集中出来るようにしたわけで、その準備する隔離施設にしてもどれだけ有れば十部なのかも不明だった時。当時は、既に海外では日本の何倍何十倍もの陽性者が出ていて、数百人、数千人規模から数万人という予想値もあったように思います。そんな状況だから、可能な限り施設は多い方が良いというのは、当時の共通認識だったと思うのですが。

結果的に感染者数の爆発は無く、準備した隔離施設も全てを使うまでには至らなかったわけで、それは関係者の努力のたまもののはず。それによって、今回は48億円というお金が無駄になったと言うけれど、それだけのお金を掛けてバックアップ体制も準備しておいたから、医療関係者にしても安心して治療に専念できたところはあるだろうし。逆にそう言うものを準備しておかず、収容できないような事態になっていたら、それはそれで批判するだろうし。

この記事が汚いと思うのは、「48億円」「一度も使用せず」「再改修に11億円」「都の以降で」と、キーワードを散りばめているけれど、実は感じんな所である「無駄」とか「過剰投資」とか「不十分見積」みたいな事は自分達では言わず、読者がそう思うような文章の組み立て方をしているところ。ところで、感染者用の設備にしているなら、元々の目的である警察官の宿舎用としても必要十分なのではないだろうか。それなら、わざわざ元の様式に戻さず、そのまま使用しても問題ない気がするんですが。逆に、オリンピック・パラリンピック開催中に、この施設の中で感染拡大しないように、元の大部屋みたいな部屋には戻さない方が良いのでは。それによって、当初の収容人員に満たないのかもしれないけれど、それならそれで施設を増設すれば良いだけの話しだと思うし。そう言う事を追求する記事ならまだ分かるけれど、何となく悪意を感じてしまうのは私の心が曇っているせい?! (笑)

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