最近話題の音声SNSとでも言うべき「clubhouse」に関して、実は無言での利用もブームという記事。リモートワークでは、どうしても一人での作業が中心で、それはそれで短時間の集中には向いているんでしょうけど、一日ずっとその状態が続くのはなかなかしんどい。ある程度の息抜きというか、少し気持ちを外に向けたり、ちょっと雑談ではないけれど気分転換をしたいときには、こういうなんとなくつながっている感じが負担にもならずいいのかも。以前佐々木俊尚氏が「雑談テクノロジー」と言うことを言われていたけれど、それに近い感覚かもしれない。
私も以前、ながら作業には映像系コンテンツよりは、音声コンテンツのほうが向いているんじゃないか、というような話を書いたけれど、結構環境音と言うか無意識に耳から入ってくる音というのは重要だと思う。それがBGMだろうが、外部のノイズだろうが、何か耳から入るものが無いと落ち着かない。仕事の関係で会社には「無反響室」という、音が反響(反射) しない様に内装を施した部屋があるんですが、ここに入ると本当に落ち着かない。自分で声を出して、普通ならそれが響いたりして、外部から自分の耳に入ってくるんですが、反響しないからそれがなくてすごく虚しい感じになるんですよね。だから、その部屋から外に出ると、どっとノイズが耳に入ってきて、最初はびっくりするんですが、すごく安心した気持ちにもなれる。よく気持ちを集中させるために、無音の状況を作るとは言うけれど、ホワイトノイズじゃないけれど、聞くつもりではないけれど耳に入ってくる「聞こえない音」の存在みたいなものが、このclubhouse の「もくもく作業」ルームでは感じるんだろうなぁ。
ただ、記事の中で紹介している「バーチャルオフィス」みたいな使い方はどうだろうか。これって、リアルオフィスを仮想化したみたいなもので、なんていうかしこ土の様子・状態をそのままリモートに転写したような感じ。それって、リモートにする意味があるんだろうか。別に会社のオフィスが嫌いというわけじゃないけれど、せっかくリモートワークをするのであれば、良いところは取り入れるとして、リモートならリモート向きのリモートだから出来ることに特化したほうがいいんじゃないだろうか。例えば、バーチャルオフィス化すると、仕事をする時間帯もこれまでのように9-17 時のモードになってしまうと、リモートの良さは半減すると思う。自分のやりやすいように仕事をすすめることが出来るのも、リモートワークで期待できるメリットだと思うんですよね。だから、評価にしても一日何時間、月にトータル何時間勤務しましたではなく、これこれの成果を達成し、ここまで作業が進展した、問題点はいくつ解決した、みたいな「成果守備」的な目標設定や評価を含むようにしないとリモートワークのメリットを組織も実行者も享受できないと思う。
当然、そういうモードでこれまで仕事をしていない会社や企業は移行するだけでも大変だろうし、評価基準や評価システムももしかしたら作り直しになるなど、初期のオーバーヘッドは大きくて、それで挫折する場合もあるでしょう。でも、これからの仕事のやり方を考えたら、いまリモートワークベースの仕組みに変えることは大きなメリットじゃないだろうか。もしだめでも、旧来オフィス集約型のシステムにはいつでも戻るのは簡単ですからね。あんまりclubhouseの話とは関係ない話に発散してしまったけれど、「音声」でも「映像」でも、それ以外でもなんでもいいのだけれど、「気配を共有出来る」仕組みが出来たら、結構受けそうな気がする。例えば、基本ホワイトノイズを流すのだけれど、ランダムにその中に意味のある音とか雑音( 例えば、椅子を動かす音とか、遠くで電話がなっている音とか) をそっと忍ばせるような仕組みで、リモートワーカーの様子をモニターしながら、その雑音の種類や音量を変化させて効率アップさせるとか。何なら、部屋の中の証明とか室温に湿度なんかも調節しながら、疑似職場環境を再現してその人のやる気を増加させるなんて言うのが、次には登場するかも。
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