2020年11月8日

アメリカ大統領線 (3)

混迷混沌としていた、アメリカ大統領選挙ですが、 現時点ではペンシルバニア州を獲得したバイデン氏が、選挙人過半数の270人を超え、取りあえず「当選」獲得した状態。ただし、トランプ氏も訴訟に持ち込むことは明言しているので、実際に確定するのはまだ先となりそうですが、よほどの事が無い限り多分決定は覆らなそう。

その、選挙結果はよほどの事が無い限り覆らないとしても、やはり心配なのは当選後のこと。以前も書いたけれど、バイデン氏は今年77歳で、仮に4年の任期を全うしたら、80歳を超えることに。選挙中も認知症の疑いや、行動を不安視されてきたことを観ると、余り不幸なことは言いたくないけれど、健康を理由に辞任あるいは最悪のケースも想定しないといけない。その場合には、今回女性初の副大統領候補となっている、カマラ・ハリス氏が大統領に昇格するわけで、となるとアメリカ史上初の女性大統領誕生の可能性も。ハリス氏の事は私は詳しく知らないけれど、報道などを見聞きする範囲では、バイデン氏が民主党内での穏健中道派なのに対して、ハリス氏はかなりの左派傾向の人らしい。だからこそ、都市部のリベラル派を多く取り込めたんでしょうけど、仮に政権移行となったら、その瞬間からがらっと政策が変わるかも。

気になるのは日本との関係。安倍-トランプ時代は、日米関係最高の時期と言われていた位蜜月関係が気づけたけれど、今回はある意味日米どちらもゼロからの構築になるわけだから、それはそれで良かったかもしれませんね。水面下では、既に関係部署が相手側との交渉に乗り出しているんだろうけど、正式にはアメリカ側で最終的に当選が決定してからにななるでしょうけど、菅総理はこのままバイデン氏が当選したら、互いに新首相・新大統領としての関係を築けば良いだけだし、その間は安倍さんとトランプさんは「個人的関係」として、これまでの信頼関係は維持していれば良いだけの話し出し。今回トランプ氏が落選した場合、次の2024年の選挙での出馬を目指すなんて言う報道もあったけれど、万が一そうなった場合の「安全パイ」として関係を維持しておくことは悪いことじゃ無いと思うし。

いずれにしても、上院議員はまだ決着が付かずに民主党・共和党どちらが主導権を握るか不明ですが、下院議員では民主党が過半数を維持したけれど議席は減らし、州知事でも共和党系の置市が過半数を超えているわけで、これで上院議員も共和党がとれば、この4年間はねじれ状態で政治運営をしなければならず、こちらも混沌としている。アメリカの混乱は、対立する中国にとっては利益になるはずなんですが、こちらも外からは見えないけれど内部は大変そうな雰囲気だし、コロナ禍で世界中が不安定になっている中、良くも悪くも世界を支える中心だったアメリカの状況が不安定になるのは、やはり全体的には良くないことと言って良いのでは。トランプ氏の業績は、日本では殆ど伝えられないけれど、一度も戦争を始めなかった大統領でもあるし、イスラエルと中東地域の和平交渉という長年の課題にも先鞭を付けたわけだし、決して日本で言われているような「酷い大統領」では無いと思うんですけどね。先日の記事にも関係するけれど、彼が言っているのは「不法移民の排除」であり「移民排除」では無い部分も結構重要だと思うし。だから、昔からアメリカに移住してきた移民世代と、最近移住してきた世代間では、同じ移民でも反応が違いますし。日米関係の重要姓は変わらないものの、日本は日本として、例えば英国との協力関係を進めるとか、TPPを中心としたアジア圏を強化するとか、独自の対策がこれまで以上に重要になる時代になりつつあるのは確かなのかも。

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