2020年11月9日

戸籍と住民票

今回色々と物議を醸しているアメリカの大統領選挙なんですが、個人的に意外だったのは投票するときに個人を特定する方法が曖昧だということ。日本の場合だと、住民登録指定有る場所に投票用紙引換券が届いて、それを投票所に持っていくと投票用紙を受け取り投票するから、よほどの事が無い限り成りすましとか幽霊の投票は出来ないはず。でも、確か以前死亡届を出さずに居て、既に無くなっている人が投票したような事があった記憶も。それらは、手続き上の話だから、少なくとも「戸籍」とか「住民票」という仕組みは日本にはあり、それを元に国民生活が把握されていて、必要なシステムが動いていることは事実。

一方で、アメリカでそれに当たるのがSSN (Social Security Number)だと思っていたんですが、今回はそれと紐付けしたような事は無かったのだろうか。まぁ、SSNは選挙権の無い例えば日本からの駐在員なんかも取得出来るから、必ずしも「国民把握の手段」では無いのだけれど、それでも日本の戸籍とか住民票に代わるくらいの物だと思っていたんですが、それならどうやって投票用紙とか配布するのか、そのあたりが不思議。 ただ、アメリカでも投票権は一人一票だろうし、それを担保する仕組みがないと言うのは、やはり変な印象を受けます。

さらにややこしくしているのは、「アメリカ合衆国」故に、各州毎に選挙ルールが異なるため、同じ問題が発生しても対応策が異なること。州内の問題なら、それぞれが独自判断して胃も良いと思うけれど、連邦政府の代表者たる大統領選挙なんだから、そこは州を跨いだ共通したルールを適用するべきじゃ無いかと個人的には感じるんですが、やはりアメリカ、それぞれの独立性を優先するという事なんだろうか。ただ、今回の選挙だけで無く、最近のアメリカの色々な様子を見ていると、昔の「アメリカ=自由の国」という大きな理解が、「アメリカ=何でもかんでも自由な国」という、ちょっと局介された世界になりつつあるような印象を、私は今回受けたんですが。例えば、BLMの話だって、アフリカ系アメリカ人の人権を尊重することに何の異議もないけれど、それを理由に略奪行為や暴行行為まで許されることはおかしいだろうし。

日本でも最近では、プライバシーを優先して、戸籍登録とか住民討論に対して疑問を呈する機会があるんですが、仮にそれらの仕組みが無くなったとして、どうやって個人を特定して行けば良いのだろうか。SF映画観たいな、知らない間に宇宙人が成りすましているという事は、まぁ当分無いだろうけど、それでも昔から知っている隣人が、実は全く別人だったみたいな事はありうるかも。今でも、例えばホームレスの人の住民票を悪用して、別人に成りすまし、免許証とかパスポートを不正取得して悪用する例もあるらしいから、現在のシステムだって問題は有ると思いますが、それでも無いよりはまし。今後デジタル技術が進めば、例えば生まれたときのDNAを鍵にして、その人専用のIDが作られて、それが全ての手続きの核心になれば、今のような戸籍とか登録みたいな事は不要になるのかもしれないけれど、それはまだまだ先の事だろうし。しかも、そのID生成時には、それを記録しておくシステムが必要なわけで、結局は今の戸籍制度みたいなものはベースのDBとして準備しないと行けない。結局は、今日本でやっていることが一番堅実じゃ無いかという気がしてきます。

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