今のノートブックパソコンの殆どの機種には内蔵ファンが組み込まれていて、強制空冷で内部の熱を外に廃熱するデザインになっています。昔のモデルは、本体の厚みもあったので、左右に空冷用のスリットがあり、一方から給気して他方に廃棄する様なエアフローデザインが殆どでした。それが、どんどん薄型デザインになり、十分な給気用スリットが確保できなくなると、今度は底面に給気用のスリットが設けられて、そこから取り込んだ空気で内部(CPUやGPU等)を冷やして、側面から排気する様なデザインが今は一般的かなと思います。昔のノートブックパソコンだと、奥の方に折りたたみ式の「脚」が付いていて、それを出すと傾斜がついて、机との間に1cm位の間隔が出来るものもありましたが、最近の薄型デザインではそう言うものも無くなり、底面との隙間は1~2mm程度の物が殆どだと思います。この薄い隙間から空気を取り込んで内部を空冷するわけですが、本体自体の発熱が大きいと、その熱は底面からこの空間の空気も暖めるため、空冷しているはずが、温風を内部に吹き込むことになってしまう場合も。その対策としては、後ろに台を入れて傾斜を付けて底面下の空間を広げたり、金属製の台で強制的に熱を廃棄しつつ、さらにその台にファンを付けて周りの空気を取り込んで冷却効果を高めるものなどもあります。
実は、そのノートブックパソコンを置く机の材質も大きな影響を与える場合が有り、例えばオフィス用の備品の場合スチール机の場合が多いと思いますが、このスチール机はかなり放熱が優秀。一方で、家庭にありがちな木製やプラスチック製の机だと廃熱効果が低く、一日仕事をしているとノートブックパソコンのあった場所が結構熱くなっていることも良くあります。実は、私の机も木製なので、仕事中勢いよくファンが回り始めると、慌ててノートブックパソコンの奥に文庫本とかを差し込んで、少しでも底面の空気環流が良くなるようにしていたりします。先に書いた、ノートブック用の空冷台は効果的だとは思うんですが、
- 傾斜が付くので、無い場合と有る場合でキーボードの感触が異なる
- ノートブックの底面と台が密着するような場合、底面の吸気口が逆に塞がれて逆に空冷効果が下がる
- ノートブックのサイズに対して、空冷台が大きすぎたり小さすぎたりはみ出たりして使い勝手が悪い場合がある
- 机の上で左右前後に移動させるときに、空冷台が邪魔になる場合がある
ところで、専用の机が無い場合にそれまでに使っていた机で使うのは仕方ないのですが、リビングなどでテーブルクロス等を敷いた上にノートブックパソコンを置いて使っている人がいてビックリ。これだと、クロスの生地が底面の吸気スロットを塞ぐのでアウトです。また、布埃などを吸い込みやすくなるので、多分内部のファンも埃が溜まって効率も落ちますし。ベッドとかソファーの上に置いて使う人もいて、そう言う場合には注意が必要かも。「それは極端な例では」と言われるかもしれませんが、以前自分自ら経験したのは空港のラウンジでの事。自分のオフィスマシンを起動して暫く作業をしていて、その後小さなテーブルはグラスとかお皿で埋まっていたので、自分が座っていたソファーの上にパソコンを置いて、フードコーナーへ行って暫くして戻ってきました。で、何故かパソコンがぎゅんぎゅんにファンが回っていて、ソファーから取り上げたら、端を持ったのにかなり熱くなっています。最初は何がどうなったのか理由が分からなかったのですが、どうもソファーに置いたためにパソコンの重みで少し沈み込んでしまい、そのために底面が完全にふさがれた状態になると共に、側面の排気口も一部ソファーの生地で塞がれてしまい、エアフローがほぼ密閉状態になってしまったようです。慌てて机の上に置いて、暫く様子を見て何とか回復しましたが、結構これは盲点でした。それ以来、ラウンジを利用するときには、出来るだけパソコンを置ける位のテーブルやスペースがある場所を選ぶようにしています。椅子も重要ですが、机にも注意が必要というお話でした。(続く...)
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