今回、帰国日にホテルから空港へ移動するためにタクシーを利用しましたが、このタクシーのドライバーさんと、妙に話が弾んでしまいました。チェックアウトをしてタクシーを呼んで貰い、待機していたタクシーに直ぐに案内されてシートに座ります。ドライバーさんがドアマンから空港行きと聞いていて「ターミナルは?」と聞くので、「T2、ANA」と答えると、「OK」ということで出発しました。
ホテルからメインの道路に出たところでこのドライバーさんが「日本から? 新型コロナウィルスはどんな状態?」と話を振ってきます。私は、日本でもタクシーで余り話はしない方なんですが、この時はこのドライバーさん(中華系の30~40代位の男性ドライバー)の英語も聞きやすく、何となく「いろいろ大変だけれど、幸いにもまだ死者は出ていないし、政府は良く防御していると思うよ」と言うと、「シンガポールも、あちこちで検査をしているけれど、渡航も厳しく制限しているし、もう少ししたら解決すると思う」と、今回私も感じた厳しい防疫状態に肯定的な様子でした。
で、このドライバーさん、母親から、「タクシーなんて色々な人が乗ってくるのだから、暫く運転は止めれば」と言われたようで、それに対しては、「だから、室内は壁からシートから全部、それこそシートベルトの金具まで何度も清掃している」「だから、外よりも綺麗だ」と笑っていましたね。まぁ、確かに言われてみれば、最も密着度合いが高い乗り物ですよね、タクシーって。そんな感じで、そこそこ話が弾んだところで、このドライバーさん「今回の新型コロナウィルスで、一番問題なのはソーシャルネットワークで、色々な情報、特に正しくない情報が拡散していることだ」と言います。「いゃいゃ、日本だって同じ。それが問題になっているけれど、もっと問題なのは、そう言う情報を、マスメディアが新聞やテレビでさらに拡散して、デマゴーグ化していることだ」というと、激しく同意をしてきます。
私も足繁く通うように、シンガポールは日本から見てもお手本となるような経済発展と社会が発達している民主主義の国。ただ、一方で独裁政権がずっと統治していて、その為に強制的な厳しい法律もあり、某有名コメンテーターは「明るい北朝鮮」と言ったとか。そんな状態だから、メディア関係もそれなりに統制されているのかと思ったんですが、やはりそこは完全に北朝鮮ではないと言う事なんでしょうね。シンガポールのメディア構成がどうなっているのかは分かりませんが、多くは日本の民放や新聞社のように私企業として活動しているでしょうから、当然視聴率や売上高が影響するわけで、その時には日本のように情報の真偽ではなく、情報のインパクトを重視する方向になる事は同じなんでしょうね。そういう部分は「メディアの腐敗」みたいな言い方をするんだけれど、シンガポールでも同じ事は起こっているし、それに対して個人はしっかり情報リテラシーを伸ばしているんだなと、一寸安心。ただ、シンガポールみたいな厳しい国情であっても、メディアは退化していくんだなと、残念な気持ちにもなった事は確か。タクシーは20分程でT2に到着しましたが、なかなか中身の濃いドライブでした。
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