2015年4月3日

AIIBを例えると...

私は経済学を勉強したことも無いし、金融関係の知識なんて言うのも無いけれど、最近のAIIB(アジアインフラ投資銀行)関連のニュースや記事を見ていると、何か昔似たようなものがあったなぁと言うモヤモヤ感を感じていました。世界銀行、IMF、アジア開発銀行という、先行して既に活動している機関があるのに、なんで似たようなものを立ち上げなきゃいけないのかと言う疑問に関しては、AIIB(=中国)は、既存機関の官僚的なプロセス(=西欧体制)がダメだと批判して、もっと迅速に適材適所に投資をしてインフラを開発していく、と言うようなことを言っています。それはそれで、ある意味正しいところもあると思うけれど、その国のインフラ開発となると、これから長い間その国の基盤を支える部分を作るわけだから、安い方が良いのは分かるけれど、作るときにはしっかりちゃんと作らないと、後から大変事になりそう。

一方で、AIIB側としては、まずは実績作りという事でどんどんインフラ整備にお金を出したいだろうし、そうすることでそれらの新興国の開発を握り、それは引いてはその国の行方も握ることになります。そんなの、昔あったようなぁと考えて思い浮かんだのが「サラ金」(笑)。兎に角お金は貸します。担保無くても大丈夫。必要な時に必要なだけお金は出します。でも、金利は高いし、取り立ては厳しい、みたいな。既存の世界銀行等が、所謂都市銀行、一般銀行と思うと、AIIBは昔のサラ金みたいな感じ。今では、サラ金は「消費者金融」となって、その会社自体も大手銀行のリテール部門的な感じになっていますが、少なくともそう言う位置付けにAIIBもなるのであれば、まだ信頼性も生まれるんだろうけど。

ただ、サラ金の場合は一人に対しての貸し付けはそれ程高額にはならず、その分多くの貸付先を見つけて全体のボリュームを確保するわけですが、AIIBの場合は一つ一つの貸し付けがインフラ整備ですから、何千億、へたすれば何兆円という規模になるわけで、貸し出す方としてもお金の準備が大変だろうし、貸し倒れたときのリスクも大きい分、どうするんでしょうね。中国が出資額の50%を握るそうですけど、利益の半分を取るという半面、予想される高リスクの半分も引き受けないといけないわけで、以下に何でもありの中国としても結構危ないんじゃ無いだろうか。中国としては、停滞気味の国内での開発投資を、回りに振り向けることで、これまで同様の成長率を維持しつつ、周辺に対してプレゼンスを確保するという一石二鳥を狙っているんでしょうけど。

サラ金にしても、グレーゾーン金利の規制が出来てからはかなり勢いが削がれて今のような状態になってしまいましたが、一方で高金利でも良いから今お金が必要と言う切実な人も居たわけで、そう言う人達にとっては貸し出し審査が厳しくなった今の消費者金融よりは以前の厳しいけれどお金が借りられたサラ金の方が、もっとありがたかったかも。そう言う新興国は、必ずあるから、AIIBとしても全くその存在を否定するわけではないけれど、でも個人個人のお金のやり取りと、国単位でのやり取りは全く異なる次元の話ですからね。素人意見ですが、少なくとも中国主導でもそれなりに公平な運用や開発が行われるなら、日本としても参加して良いとは思うけれど、それが見極められないのであれば、先ずは様子見でも良いのでは、と思います。だって、サラ金なんだもん(これ)。

0 件のコメント:

コメントを投稿