2026年1月13日

味の現地化

 佐々木俊尚氏の引用から、世界に広がる「中華料理」のローカライズに関して。今では交通機関も発達していて、色々な場所に色々な国や地域の人が出かけたり定着しているから、結構世界の何処に行っても自国の料理に出会えたりします。でも、世界的に有名になった日本食(和食)でも、まだまだどこでも食べられるという状態では無いけれど、「中華料理」に関しては多分世界の何処に行っても食べられる料理だと思います。少なくとも自分がアメリカで経験した範囲では、アメリカの結構な田舎町に行っても、ピザ屋ハンバーが屋さんと並んで、中華料理店はほぼ必ずありますからね。

今の中国の人口は14億人まで膨れあがっているけれど、40年、30年位前ですでに10億人を確か越えていたはずだから、その1%が海外に出たとしても1000万人が散らばるわけです。当時の世界人口が40億人くらいだから、中国以外が30億人。更に中国人が移住するような国は西洋諸国が多いだろうから、そうすると半分位として15億人の世界に1000万人が流入するとなると、これは結構大きな集団と言えそう。アメリカではそんな印象は無かったのですが、カナダに行ったときには結構アジア系の人を見て、自分のように観光客とか移住者かと思ったら、移住政策をとっていたカナダに昔中華圏から移住して、そこで生まれた二世三世四世みたいな人達がかなり多くてビックリ。まぁ、彼らのバイタリティーはDNAに刻みつけられているんだろうなと思ってしまうくらい強烈ですよね。

だから、アメリカでも結構中華料理は標準で、メキシカン位普通に食べられている印象でした。ただし味付けはアメリカ人向けに甘く仕上げてあり、正直日本人の舌にはちょっと合わない印象も。でもこれもカラクリがあって、よく通っていた中華料理屋さんで顔や名前を覚えられたら、裏メニューを出してくれるようになって、これが本当に本場の中華の味。ちゃんと香港から資格を持った調理人を呼んでいて、だから本場の広東料理とか杭州料理を作ることも出来るけれど、それだとアメリカ人の口に合わないので変えている、と言うような話でしたね。そのお店は、週末は点心スタイルに変わるんですが、この時は99%中華系のお客さんで埋まっていました。日本人の舌にも合うので、よく通ったんですが、多分日本国内にいるときよりも当時は中華料理を食べた気がします。

食べ物商売は、必ず人間は食事が必要だから有る程度計算出来る商売ではあるけれど、それ故に味の好みや好き嫌いもあるので、どんなに自国で美味しい料理であっても、その土地の舌に合わないと流行らない。かと言って本場の味とかより深みのある味にしようと思うと、素材や調味料が足りないからコストアップしたり、代替製品で異なる味付けになったりしがち。そんな中でも、中華料理は料理人だけで無く、例えば本国から調味料類を手配する素材屋さんも各地にあったりすると、彼ら内部のネットワークが凄いですからね。日本食材も、彼らのネットワークに乗っているものは結構簡単に入手出来たし。考えようによっては「閉鎖的」とも見えるけれど、それだけ結束力が強い分世界のどこでも生存できるバイタリティーは随一だと思う。だから、結構最初は手順や技術が低くて失敗もするけれど、そのうちに知らないうちにトップになっているのは、最近の産業や技術の進捗を見れば良く分かる。そのうち現地化された「中華料理」が、その国の伝統料理として認識される時代も、そう遠くない気がする。それ位、彼らを侮ってはいけないと自分の経験から感じますね。

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