PC Watch、笠原一輝氏のコラムから、ノートPCの修理交換に関して。ノートブックPCの薄型軽量化が進むにつれて、内部部品を出来るだけ稠密に配置するとともに、配置方法や固定方法によっては、そのまま装着した状態から変更出来ない場合も。一番顕著だと思うのは、昔はA4(ファイル)サイズ、B5サイズクラスのノートブックPCでも、システムメモリーは小型のメモリーカードが装着されていて、1枚だけの場合も有ったけど後からメモリーの増設、容量増加が可能でした。但し、その場合はメモリーソケットを入れないといけないし、メモリーモジュール(SIMM/DIMM)も基板サイズが必要になるので、どんどん薄型化していくとメモリーをマザーボード直付けになっていきます。こうなると、メモリーサイズを変更するには、マザーボード交換が必要になってしまい、事実上変更不可に。
記事にもあるバッテリー交換に関しては、昔は外付けのバッテリーパックが一般的で、これは当時のバッテリー性能から大きく二つの理由があって、
- バッテリー容量の少なさと消費電力の大きさもあって、バッテリー運用時間が短くて(1~2時間というのが標準)、必要ならば今のモバイルバッテリーのように複数のバッテリーパックを持ち歩いて交換しながら利用したり、移動中心の時には運用時間を犠牲にしても軽量のバッテリーパック、長時間使いたい場合は大容量バッテリーパックみたいな使い分けをする場合もありました。
- 容量の少なさから運用可能時間が短いと同時に、バッテリーの劣化スピードも早くて、1年も使用出来れば御の字で、頻繁に放電・充電をしていると半年も持たない場合も。劣化して、満充電でも元の容量の70%とか60%とかになると新しいバッテリーと交換するためにも、外付けオプションは必須でしたね。
- あと、これは副次的な理由だと思いますが、当時はオフィスデスクの省スペース化のために、デスクトップ機の代わりにノートブックPCを導入する法人企業も結構多く存在しました。その時には、ノートブックPCと言いつつもデスク上でACアダプターを接続したままで使用するので、バッテリーパックは不要だからその分安くしろとか、万一の場合発熱やトラブルが心配だからバッテリーパックなしで利用したいなんて言う要望もありました。
「修理する権利」というのがどこまでの範囲をさすのか分からないけれど、確かこれも有ってAppleも修理業者の存在を認めざるを得なくなったんじゃ無いかな。日本のPCメーカーは良く分からないけれど、海外というかアメリカのPCメーカー(IBM(=Lenovo)、DELL、HP、etc...)は、昔からCRU/FRUを出していて、さらにマニュアル類も充実していたと思います。実は私が入社して暫くは診断プログラム(Diagnostic Program)開発をしていて、その仕事の中には保守手順書の作成なんかもあって、だからこの辺りは懐かしいし結構詳しかったりします。だから、CRUにすればユーザーさんも助かるんだろうとは思いつつも、訓練や経験のある保守担当者(Repair Technician)でも、時々失敗する事もある保守作業を、そう言う事が殆ど無いであろう一般ユーザーに開放することに対しての抵抗感というかジレンマもありましたね。最近では3Dプリンターがあるから、カバーとかの一部部品は自分で作成する事も可能な時代になってきたけれど、バッテリーパックのように流石に自作は無理というものも有るわけで、まだまだ保守部品の準備と提供は企業側にとっては重要な仕事都として残り続けるんでしょう。
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