最近はまっているReHacQの経済関係のコンテンツで、昨日公開された20兆円財政出動の内容に関して、第一生命経済研究所の永濱利廣氏とPwCコンサルティングの片岡剛士氏の対談。同じく長濱氏が出演している大和証券の木野内栄治氏との財政出動の閣議決定前のコンテンツも興味深くて、両方を比較してみると「なるほどな」と納得というか理解出来ることが多くて、自分としては勉強になるなぁとここの所何度か繰り返し巻き戻しつつ視聴しています。
この二つのコンテンツで言われていたのは、「アベノミクス」に関しては「三本の矢」と言われる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」のうち、デフレ状態でも合ったので先ずは金融政策を優先して需要喚起を進めた。それはそれでそれなりの効果が出始めていたけれど、それに対して供給を押し上げる、第二、第三の矢を十分に達成するまでには至らずが不十分だった、と。それに対して、今回の「サナエノミクス」は、特に第三の矢である「責任有る積極財政」が中心なのは、デフレからインフレになっている現在、需要を下支えする供給力を充実させることが必要という説明を聞いて、自分が感じていたモヤモヤ感がクリアーになった気がします。
先のコンテンツでは、前回の財政出動が約13.7兆円だったので、それよりも増やさないとインパクトがない。仮に20兆円位の予算を作成しても、国債の発行額にしても、国の負債(債務残高/GDP)にしても減少させながら達成することは可能なので、そこまで踏み切れるかどうかが高市内閣の覚悟、みたいな話をしていました。20兆円というのはかなりの増額だと思うのですが、経済アナリストによっては30兆円まで可能という人もいるとの話も出て、流石にそれは極端だろうと思ったけれど。結果的には約21兆円規模の財政出動が今回決まり、その内容に関してもかなりメリハリを付けているような気がします。
その内容やReHacQの内容に関しての批判も大きいけれど、今回の総額はあくまで近々に必要な対策に対しての初期投資というかイニシャルコストだと理解しています。これをベースに、来年度の本予算ではより長期的かつ抜本的な中長期計画を策定して、それに対してしっかりと予算を付けて実現して行かないといけない。その辺りを誤解している人が多いような気がしますね。それに、今回の予算規模が予想以上だったからか、瞬間的に円安が進んだけれど、動画の中で長濱氏が説明しているように、別に規律を無視して財政出動しているわけではないので、直ぐに155円位の「円高」に位置に戻っている。この辺りは、余りに予想外な財政計画の内容に専門家もつい延髄反射したんじゃないだろうか。
今回のコンテンツの中で、中国の開発独裁体制がある意味成功して、世界の製造、開発、研究をリードするような立場になった事に西側諸国も慌てて、特に科学技術関係への支出を増やしていると話をしていました。日本も乗り遅れていたため、過去の資産も食い潰しつつあるけれど、それだからこそ日本の得意分野・新規分野を選択集中して投資をしてリードしなければと言うのはなしは自分的に一番腑に落ちた部分でした。日本が世界をリードしていた1980年代というのは、経済状況が好調でいろいろな分野や製品に企業がお金を投入できていた時代。だからこそ、新しい製品や研究も生まれてきたわけで、それは失敗しても許されて次に再挑戦できる環境があったからだと思います。SONYのWALKMANは、社会文化すら変えた画期的な商品だったと思いますが、あれだって井深さんのある意味我が儘を聞くだけの余裕が会社にあったからだと思うんですよね。私も、有名プランナーの「個人的趣味」から小型パソコンの開発に繋がった経験があるだけに、当時はそうゆう余裕が日本の技術を豊かにしていたと思います。でも今はそんな余裕は無いから、選択と集中をしないといけない。でも、その判断を誤らないようにしないと、昔の「千三つ」よりも悪い結果しか生まれないかも。そう言う意味でも、今回の経済対策さらには17項目の実現はかなり大きな課題だと感じました。
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