2025年10月28日

英語能力

ASEAN首脳会議で外交デビューをした高市総理。会議での英語でのスピーチに関して報道されると、その「英語能力」に関して色々な評価が。自分が見聞きした範囲では肯定的な批評が多かったけれど、中には「あの程度では恥ずかしい」というような意見もあって、人それぞれだなぁという感想。自分的には、発音というか話している様子は「仕事で英語を習って身につけました」という感じで、自分も含めてエンジニアが海外の仕事相手と話をすると、あんな感じの言い方口調になるんじゃ無いかと言う気がします。だから、ちょっと親近感を感じることはあっても、おかしいとか下手とは思わないし、意味はちゃんと通じているんだから、何を根拠に「上手い・下手」という評価をしたいのか良く分からない。

そもそも高市氏の経歴を見てみると、松下政経塾に入っていた1987年~1989年までの2年間アメリカ連邦議会に派遣されて、下院議員や委員会で仕事をしていたと書かれています。多分、同僚に日本人なんて殆どいなかっただろうし、仕事の内容は向こうの政治活動を支える内容だから、読み書きに関してはかなり能力が無いと難しい仕事だと思います。そう言う事を考えると、発音はネイティブに及ばないかもしれないけれど、読解力だったりヒアリング能力はそれなりのレベルだったんじゃないだろうか。その頃から、35年以上経過しているので、当時の英語能力スキルから衰えていることも考えられるけれど、それでも一般の日本人やそういう英会話慣れしていない人から比べたら、十分なレベルだと思う。と言うか、実際に見聞きできるからどうしても「発音」「流暢さ」でその人の英語能力を評価しがちだけれど、個人的には一番必要なのは相手の話を聞き取れて理解出来る能力だと思う。ちゃんと相手の言葉の重点部分を理解して、それに対して適切な回答を例え単語一言でも返答する事が出来れば、それは発音の優劣とは関係無く相手に通じる英語だと思います。

トランプ大統領に合わせて、アメリカのラトニック商務長官が先に日本に来ていて、日米関税交渉の日本側代表だった赤沢経済産業大臣がアテンドして、浅草の浅草寺とか回っている映像が流れていましたが、その時に英語で浅草寺の説明をしている赤沢氏の様子を見て「あっ、この人、英語上手いなぁ」と感じました。英語を話し慣れている印象が強くて、あぁだから「ラトちゃん」とか相手のニックネームで話をしたというのは、冗談では無く本当だったんだなと納得しました。英語能力としては、多分高市氏よりも慣れているしスキルも高いと思うけれど、仕事をするのは英語能力ではなくその内容ですからね。するりと相手の懐に入り込める赤沢氏も凄いと思うけれど、今日の日米首脳会談で直に話をして、トランプ氏に気に入られたら、それはそれで高市氏の英語能力も優れていると言えるだろうし。結局「どれだけ綺麗にネイティブ並みに話が出来るか」よりも、「泥臭くてもどれだけ相手の信頼を勝ち取り相互コミュニケーションを構築出来るか」が優先するわけですからね。

勿論、完全なブロークンよりはそれなりに理解出来るレベルの会話が出来ることに越したことはない。特に面識が無い場合には、やはり相手の会話レベルでその人の能力が判断されることもあるのは事実。これが英語弁論大会みたいな場ならば、やはりその発音や言い回しの内容が重要になると思います。けれど、ビジネスツールとしての英語能力であれば、先ず必要なのは読解力(ヒアリング)であり、次に語彙力(ボキャブラリー)であり、その次にくるのが会話能力(スピーチ)かな。勿論、流暢な言い回しを否定するわけでは無く、優先順があるという意味ですから、出来ればより語彙力豊富でネイティブ並みの会話能力があれば文句なしであることは言うまでもない。でも、本当に「英語力」を身につけようと思うと、多分英国や米国の歴史とか文化的背景も知らないと言葉の選択は出来ないし意味も理解出来ないだろうし、さらにはキリスト教的な要素は必須だろうし、さらにさらに英語も言葉の意味や使い方がどんどん変化するから、最近の言い回しだって常にアップデートしないといけない。私も、乏しい英語能力だけれど少しでも維持しようと、毎日CNNかBBCの放送は10分でもいいから視聴するようにしていますが、中々厳しい現実を実感しますね。それでも、何故かNFLやカレッジの現地中継は、ちゃんと耳に入ってくるのが不思議(笑)。

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