先日の「AIと地方創生」に関しての話題から、また一つ。コンテンツの中で、データセンター(DC)を地方に構築しても、そこでは省力化されているから人手は不要=地方創生に繋がらないみたいな展開がありました。それに対して三原氏は、省力化されるけれど、万一の場合の修理だとかトラブル発生時の対応など、人員配置は必要なるのでそれなりの雇用創生に繋がるのではと言う意見。今はリモートでの監視技術や、リモートアクセスで現地で出来ることもほぼ100%カバー出来るから、ソフト的な対応だとかシステム的な対応に関しては、現在でもリモートで可能。問題は、何らかの理由からハードウェア的な対応のうち、リモートアクセスやKVMで対応可能な、システム再起動とかシャットダウン、コールドブートみたいな操作以外の対応をどうするかが、地方にDC誘致するときの一つの課題かも。
最近のサーバーシステムは、「ラック」と呼ばれる縦長の衣装ケースみたいな共通サイズのフレームに、「ブレード」と呼ばれるサーバーシステムやストレージシステムを入れて行くもの。多くの場合、ラックの下段には停電時対策用に非常時用バッテリーが入っていて、そのラックに導入されているシステムの瞬断を防止するようになっています。後は、背面からネットワークケーブル等が内部結線や他のラックと接続されて、システムやネットワークを構成しているのが一般的なサーバーシステム。これを、ラック単位、あるいは複数のラックが導入されたサーバールームサイズを、例えば一つのコンテナの中に設置して、電源から空調など環境条件も独立して動作するようにした共通の箱(Module)に仕立てて、これを必要な個数(=リソースと能力)分連結することで、任意のスケールのDCが出来る(組み立てられる)ようにしたら、万一の場合はトラブルが発生しているそのコンテナ毎交換すれば良いので、自動化機械化も可能じゃないだろうか。
DELLだったかHPだったか、まさにそう言う「コンテナデータセンター」みたいなものを発表していた気がしますが、あれはコンテナを車で移動させれば、どこにでもデータセンター設置ができるみたいな話だったと思う。ただ、それを多数組み合わせれば、机上では可能なはず。課題は、本来のDCとして効率良くシステムを配置するよりはスペースを食うだろうから、より広い土地なりより大きな倉庫みたいな場所が必要になることで、それと機械化での省力化のトレードオフは厳しいかも。コンテナDCじゃないけれど、昔読んだ記事では、Googleが自社製のボードコンピューターを組み合わせて検索用のDCを作ったとき、個々のボードコンピューターが故障したら、それをスッと抜いて新しいものと差し替えれば、自動的に更新されて元のシステムの一部になるみたいなことをやっていた様で、そういう世界をより洗練された形で構築出来たら、保守作業の多くが機械化=AI化可能じゃ無いだろうか。
昔、世界中のパソコンの余剰能力を利用して、バックグラウンドタスクを世界中で分散処理して、軌道計算するとかそんなことが流行ったけれど、最近は聞かなくなったのはウイルスと誤解されるからだろうか。昔、Windowsもそんなことやってなかったかなぁ。スクリーンセーバーとか動作していると、背後で何かの処理をしていたみたいな事を聞いた記憶があるけれど、パソコンにしてもスマホにしても、常に100%で動作しているわけでは無いので、余剰リソースを共有して分散処理化に回すというのは、やり方次第では「あり」だと思います。ただ、余りにリソースを使い過ぎて、バッテリー消費も激しくなると、何のために共有ということになるから、移動中は利用しないみたいな仕組みは必要だろうけど。ただそうなると、地方創生でDC誘致してみたけれど、気がついたらそこに定住している人間の数よりも、その何倍もの自動化ロボットが仕事をしている、みたいな未来になるかも。
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