2025年9月23日

ネット中傷

法務省が「侮蔑罪の事例集」を公開し、その内容が話題になっているという記事。これまでだと、互いに向かい合っての言い合いとか、道路や駅などでの些細なことからのトラブルという事例が多かったんでしょうけど、この事例集を見るとSNSやネットでの「侮蔑罪」の事例も多く、時代の流れというか、匿名性があるだけにSNS/ネットでの方がより簡単に一線を越えてしまうんでしょうね。

SNSやネットでの事例の場合、後から削除も出来るけれど、そこに何らかの方法で「書き込む」作業が発生するから、証拠としては一番残りやすいので、ついカットして書き込んでしまって後から訂正しても、既にあちこちに拡散されて保存されて取り返しの付かないことになる事も多そうな気がします。自分も、最近でこそ落ち着きも備わってきたけれど(えっ?)、若い頃は「瞬間湯沸かし器(と言ってももう死語か)」タイプで、つい攻撃的な一言も言いたくなることも多かったんですが、幸いにも最後の一歩で踏みとどまるくらいの理性は当時から持ち歩いていたので、何とか現在まで平和に暮らしています(笑)。その代わり、何となく当てこすりというか、皮肉めいた言い回しをする変な癖が付いた気がするけれど。

対面での誹謗中傷や侮蔑行為は、偶々そこで肩がぶつかったみたいなタイミングの悪い事から一瞬に最高点まで到達することもあるけれど、多くの場合は日頃の小さな行き違いや誤解みたいなものが積み重なって、それがある日突然噴火するみたいな場合が多いんじゃ無いですかね。田舎に住んでいると、そんな「潜在的小さな不満の蓄積」みたいなことを、何となく肌感覚で感じる事が多い気がします。それでも、周りの目もあるし、場合によっては逆に自分が周りから阻害されることにもなりかねないから、そういう互いの圧力みたいなものが何トン抑止力になっている気がします。それに対してネットの場合は、そんなぼんやりとした圧力なんて感じないし、何となく自分は無敵だみたいな思い込みみたいなものも生まれやすく、つい一言言いたくなると言うか、自分の思う勝手な正義感というか、相手を下げる事で自分が優位になるみたいな幻想を即座に実行してしまう。敷居の低いのがネットの利点ではあるけれど、それ故に一人ひとりの自尊心というか、変な自信が芽生えてそれが無敵感になり何でも許されるみたいな思いになって、つい指が動くんだろうなぁ。

「ネットの匿名性」とよく行われるけれど、確かに単に上から俯瞰しただけでは、大海原に浮かぶ小さなボートを探すみたいな事なんだろうけど、ネット接続すると言うことは何らかの通信デバイスを使用しているわけで、それって大会の中でビーコンを発信しているようなもの。適切な技術と時間が有れば、有る程度の時間で探知して特定することは逆に簡単だし確実なんですよね。勿論、自分という個人を秘匿することは色々な技術を使用すれば可能だけど、一般的な個人レベルではそれは現実的では無い。そういう部分をもっと啓蒙して、色々不満はあるかもしれないけれど、やり方を間違えると自分が加害者になるということを認識させないと。そう言う意味で、こう言うリアルな事例開示は、「この程度で罰金」とか「こういう言い方はアウトだよな」みたいに再認識させるということで非常に有意義だと思いますね。 

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