今回の選挙の争点として、「外国人問題」とか「日本人ファースト」というワードが大きく取り上げられたけれど、余りにその主語が大きすぎて誤解を招いたまま一人歩きする状態に。それを、本来ならば修正するべき既存メディアも、どういう意図があるのか分からないけれどそのまま使用して、さらに利用するような用法も見られて「メディアが煽ってどうするのか」といつもながらのメディア不信が膨らむことに。
「外国人問題」も、別に全ての外国人が悪いわけでは無く、色々な理由から国内に在住している一部の外国人による犯罪行為や迷惑行為に対して不満や問題が指摘されている話。昨年度末の状態で、在留外国人数は約376万人。 これって、ほぼ横浜市の人口と同じ位の人数なんですよね。横浜市の犯罪率とか分かりませんが、横浜市と聞いて「危険な街」と思う人は、多分殆どいない。でも、その横浜市でも犯罪は発生するし、問題も毎日のように生まれていることは確かでしょう。となれば、「外国人」という属性の中で同様の状態になることは想像出来ます。ただし、同じ程度の人数であっても、一箇所に固まっている横浜市と異なり、その人数はばらつきはあるにしても全国に分散しているわけだから、分散している分発生率は低いことも想像出来ます。となれば、「外国人による犯罪・問題」の発生率は、日本人の数値よりも低いことは統計でも示されている。但し、その属性故に目立つことで不満が高まっていることが問題だと思う。
これはメディアの伝え方にも問題があると思っていて、例えば外国人犯罪では良く「不起訴」という言葉を聞くけれど、これをちゃんと説明しないから「外国人は全員不起訴で罪に問われない」みたいな誤解が蔓延してしまう。不起訴となる割合などは決して日本人と大きな差があるわけでは無く、また外国人被疑者ということで言葉の壁なども大きいらしい。後以前聞いてなるほどと思ったのは、不起訴となった場合でも国外退去処分になるのだけれど、日本国内で起訴されて刑期を終えてしまうと、そのまままた国内での生活に戻ってしまう。不起訴として母国へ強制送還されると、母国でその犯罪の裁判が適用されて必要な処分が施されるので、場合によってはよ日本国内よりも重い刑期が課させることもあるらしい。時間や文字数の制約はあるだろうけど、中途半端な報道で誤解を招いている責任は、既存メディアでは大きいと思う。
もう一つ感じるのは、大きくされてしまった主語の中の殆どの人は、実はそんなことは感じていないあるいはちゃんと批判もしているということも伝えるべきだと思う。例えば「外国人問題」と言っても、その対象は不法滞在や実際に犯罪を犯したごく一部なわけで、それ以外の正式な手続きを経て日本に在留している外国人は無関係だし逆にそう言うごく一部の素行の悪い人に対しては厳しく対応してほしいということは見聞きします。これって別に外国人だけの話ではなく、例えばとある地域や地方で問題が続けて発生すると「だから○○の出身者は」みたいな言い方を良くされます。最近では浜松で色々トラブルや犯罪が続けて発生したので「だから浜松は」みたいな言われ方をしたけれど、それと同じ。殆どの浜松の人間は、高速道路に転落しても逃げないし、まず転落することも無い。ガールズバーで行きなり殺傷行為をすることも無い。個人的には、今回の色々なことから、入国管理や外国人犯罪に対してこれまで以上に厳しい措置が取られるようになるらしいけれど、それによって一番安心しているのは普通に生活している外国人在留者の人達だと思う。それによって自分達の正統性も担保されるわけですからね。だからいたずらに主語を大きくするのでは無く、適切な主語をちゃんと選択して使用するべきだと思う。
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