小泉大臣肝いりの随意契約による備蓄米配布が始まり、イオン、楽天、ドンキホーテ等大手7社が入札をして、早ければ来週早々位にはこの備蓄米の精米が店頭に並ぶかもと言う、政府にしては珍しいスピード感。年間扱い量が1万トン以上という条件が付くため、大手以外の中小の米穀店では対応出来ない事に関しては、理解はしつつも不満も言われていますが、小泉大臣はまずは低価格米を市場に出して価格高騰を冷却して、その後は60kgの玄米米袋単位で、精米設備のある街中の米穀店にも直接備蓄倉庫からの発送も検討するということで、彼に対しては色々過去不満はあったけれど、このスピード感は今回は良いんじゃ無いだろうか。
1万トンの玄米というと、5kgを一袋とすると200万袋。ただ、精米すると1割位は減るから実際には180万袋分という結構な分量。これだけの分量が2,000円(税込み2,180円)で店頭に並べば、かなりのインパクトになることは確実。今回の放出分は、2021年や2022年産の「古米」「古古米」と言われるもので、昨年の新米と比べるとやはり鮮度や水分量が落ちる分食味は劣るかもしれませんね。それでも、だから食べられないと言う事は無いわで、やはり半額近い価格競っては魅力的かも。仮に6月初めに出てきて、それがどれだけ続くかですよね。
お米の価格帯的には、昨年の新米が4,000~5,000円/5kgの高価格帯で、1回目の備蓄米放出が3,000~4,000円の中価格帯に。そして今回の2回目の備蓄米放出が2,000円台の低価格帯をカバーすることになるわけですが、2回目の備蓄米分は多分一斉に購入に走るだろうから、案外短命に終わりそうな気がする。そうなると、それまで保管されてきていた高価格米がまた主流となり、米価格は再び上がりそうな気がする。今年の新米が出荷される9月まで持たせられれば政府の勝ちだし、その前に備蓄米が枯渇したら来年も米騒動が続きそうだけれど、その時には備蓄米は無くなっているわけだから、今度はどうするんだろうか。それこそ、韓国とかアメリカとかタイとかから大量に輸入して沈静化するしか無くなりそうな気がする。
一方で、お米の消費量は今でも年間10万トン位ずつ減っていて、決してお米の消費量が激手に増えているわけでは無い。となると生産者側としても、耕作地を増やして大量生産するよりは、現状の耕作地でどれだけ効率的に米を生産出来るか、効率化の話になり農家としてはさらに厳しいんじゃ無いだろうか。昔みたいな政府統制価格でも出さないと、やはりお米も一般商品なので、そこは需要と供給で価格は決まるからなぁ。農水相も、いまは小泉大臣の鶴の一声で安くお米を売ることに奔走しているんだろうけど、その先も見据えて米農家の効率化、具体的には耕作地の集約と、後は米作り以外の時期に田圃を有効活用して、別の野菜栽培とか収益を上げる工夫が必要でしょうね。一方で、そうなるとこの記事にあるように 、棚田などの小規模生産地はどんどん廃れてしまう。これも、観光と絡めるとか、「個人オーナー」制度みたいな事で、米以外での収益確保をどうしたら実現出来るか、そう言う事も今準備しないと間に合わない気がしますね。うちも依託して使って貰っている田圃があるんですが、自分的にはもう手放したいけれど、中々簡単にもいかなくて、まぁ日本の農家は大変だと思う。
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