色々話題・問題になっているお米の価格高騰と備蓄米の放出に関して。最初にこの話が決まり、入札となった時に感じた素朴な疑問が、「なんで低価格で放出せずに、入札にしたんだろう」という事。入札となれば一番高価格で落札されるわけだから、その価格が今のお米の卸売価格よりも高ければ、小売価格も高くなって当たり前。政府保有の「備蓄米」なんだから、その卸価格に関しては市場コントロールも考慮して、例えば1kgあたり300円とか、最終的に目標とする販売価格になりそうな価格設定をして、それを購入した卸がいつまでにどれくらい市場に出せるかという部分で配布の分量を決めたら、もっとスムースに低価格の備蓄米が市場に現れたんじゃないだろうか。
もう一つの疑問が、今は5年間に変わったけれど、落札した備蓄米と同量のお米を1年以内に買い戻さないといけないという事。政府保管分を放出したのだから、その分戻せというのも変な話で、それって例えば大規模な災害の時に放出した場合にも要求るのだろうか。普通は、今年以降の増産を要請して、今年は無理かもしれないけれど来年以降に余剰米が生まれるようになったら、そこから余剰分を備蓄に回して補充するという方法が一番腑に落ちる気がするんだけれど。生産量が減ってきているお米だから、急に増産に転じることも難しいだろうけど、一方でこの「お米狂乱状態」にしても、来年以降にはまた落ち着いて来て、結果的に米離れがまた進む気もします。
小泉大臣が、6月初旬には備蓄米を2000円台で店頭に並ぶように、随意契約に切り替えてかつ市場までの状態もモニターするような事を言っているけれど、それならば「政府標準米」みたいな形にして、市場価格を設定して、それに対しての不足分を補助するような形で依託するような形にすれば良いのにと思います。また、確かに以前の価格2000円台になることが理想だろうけど、それだといつまでたってもお米の価格が上がらず、結果農家の収益にも繋がらないという問題がまだまだ続くことにも。農家の集約や生産効率をどうしたら上げられるのか、そう言う事をもっと熱心に検討するべきだと思う。特に、韓国のお米が安いと話題なったけれど、何故韓国は安いのか調べたんだろうか。アメリカみたいな大規模経営で効率化しているのか、政府からの補助のお陰なのか、日本でも出来ることは取り入れれば良いと思う。
過去の「○○不足」騒動を見ても、結局騒ぐのはその時だけで、それが落ち着くと直ぐに忘れていくのも国民の体質。お米にしても、3000円台位の製品が普通に並べば、多分多くの人はそれで落ち着くんじゃないだろうか。逆に、今回2000円台のお米が出てしまうと、それが売り切れたときにまた「2000円台の米」騒動が発生して、結局はいつまでたっても「お米高騰騒動」は沈静化しないと思う。あれだけ「失われた30年」と騒いで、日本のデフレを批判してきた人達は、本当はこの価格上昇を喜ぶべきだし、一方でそれに見合った収入アップや補償が十分に手当てされていないことを批判するべきだと思う。短期目的としては、大きな問題になっている米価格の沈静化だけれど、中長期目標としてはいかに生産者の生活を維持向上させつつ、市場価格を安定させるかという事も勧めないといけないはずだけれど、そちらの話は殆ど聞こえてこない。それが一番の問題かもしれない。
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