2025年4月15日

Video Conference

ITmediaの記事から、Web会議でのカメラ・オンの必要性に関しての話。うちの会社は私が入社したときには、国際回線を利用したビデオ会議システムを持っていたので、「ビデオ会議歴」は40年以上になるんですが(笑)、当時使用していた開戦は、KDDI(当時)の国際アナログ回線にデータを載せていたから、映像は紙芝居よりも酷いコマ送り状態。 音声は、ですから映像とは別回線を使用してアナログで通話していたので、二倍の国際回線利用料が掛かっていたはず。だから気軽に使うことは出来なくて、事前に申請を出して部門長くらいまでの承認が必要で、しかもこちらと相手側で事前にチューニングみたいな事も必要で、会議開始の1時間2時間前から準備するのも普通。語り出せば尽きないけれど、今のパソコンを開いてすぐにどことでもスムースな動画で会議できる状態というか、簡単にスマホでの映像通話が出来ることを考えると、「隔世の感」を100倍しても足らないかも。

その当時は、一台のカメラの前に双方の参加者が並んで会議を下から、行ってみれば二列に並んだテーブルの双方に参加者が座って対面している感じのビデオ会議でした。今は、一人に一つカメラが使用されるから、画面上にはタイル状に参加者が表示されるのが普通。これって、実際の会議室に集まっての会議とかなり印象が違うんですよね。言ってみれば、日頃横や後ろに座ってい表情が見えない人の表情まで見える反面、多数の人の顔が画面に表示されていても、こちらから見ると1対1に対峙しているように感じてしまう。会議のチェアマン(進行役)とか、マネージャーはいつもの見慣れた雰囲気なんだろうけど、自分のように隅っこでこそって参加するようなエンジニアにすると、非常に居心地が悪いんですよね。

記事の中では、ビデオオフでは表情が読めないから、言葉だけのやり取りになり不十分というような主張をしていて、それはそれで正しいと思うけれど、表情も大切だけれどそれよりも実際の会議室との最大の違いは、その会議室内に滞留する「雰囲気」が感じられないことだと思う。「表情」もその雰囲気作りの要素の一つだけれど、その場の流れとか感触みたいな物が分からないのが最大の問題点だと思う。ただ、それならばリモート会議は止めて、実際に会議室に集まる会議形態に戻せば良いけれど、例えば移動時間が節約できるとか、遠方からでも参加出来るというメリットもあるので、完全にはリモート会議も無くならない。個人的には、記事に書かれているような「感情を読む」みたいな要素は、少なくともリモート会議では排除しても良いんじゃ無いかと思います。だから何となく集まって何となく会議を開催して何となくアリバイを作るみたいな事が無くなると思う。リモート会議は、参加者の招集しやすさを利用して短時間で密度の濃い話合いをして、必ず結論を出す、というところまで完結する事が一番重要だと思う。だから、相手の表情を読む前に、事前に準備した資料なり数値なりをしっかりと見せて、破綻の無い筋立てで会議の話を進めて、合意形成するということが必要だと思う。それを、これまでの会議室での会議の前提で開催するから、カメラオフとかそう言う余計な要素が気になるんじゃ無いだろうか。

実際に会議室に集まり会議をするのは、言ってみれば「アナログ的手法」と言えると思います。一方でリモート会議は、集まりやすさなどのメリットもあるけれど、参加者の感触を得がたい見たいなデメリットもあるわけで、そこを割り切れるかどうかがリモート会議のメリットを享受できるかどうかの分かれ目なのでは。リモート会議は「デジタル的手法」に徹して、とにかくデータと数値と即決することを会議の最大の目的にするべきだと思う。それなのに、それまでの会議室での会議形式でリモート会議も進めようとするから、ますます生産性は落ちるし、参加者の意欲も停滞するし、結局は「やった」というアリバイだけが残る悲惨な結果にしかならないと思う。筆者は最後に「非言語データ」の重要姓を指摘して、言語データだけならSlackなどを利用すれば十分と言っているけれど、それも極端な話だと思う。「言語データ化」が難しいから、Slackを使おうが何度もやり取りが発生して、活最終的な共通認識にも誤差がでるわけで、そういうオーバーヘッドや曖昧さを埋めていくのが、リモート会議での「リアルタイムの会話」部分じゃ無いかと言う気がします。そのためには、ちゃんとしたデータ/資料を事前に準備しておかないといけないけれど、その中で曖昧さや認識の違いをその場で正せるからリモート会議は意味があると思う。今の問題は、その叩き台となるデータ/資料作りが不十分だから、その形成過程がリモート会議のスタートになることだと思う。それは、ビデオのオン・オフとは、全く違う話であるし、そちらの方が本質のような気がする。

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