2025年2月17日

米価格陰謀論

米不足、米高騰が毎日話題になっていて、「消えた21万トン」が何となくトレンドになっているけれど、その不足分がここまでの米不足・高価格を招いているとは思えないんですよね。それは、まず今回の件で色々な情報に接していると、この「21万トン」という不足分の量は、年間の米の出荷量600万トン余りに対して3%程度の量だということ。「3%?」と聞いて、流石に「誤差の範囲」とは言わないけれど、以前の価格の1.5~2倍位まで価格が上がるほどの「不足」とは思えない。もう一つ「なるほど」と思ったのが、「米不足」と言われるけれど、お米の消費量自体が減ってきていて、数年前と比べると半減するくらいになっているらしい。インバウンド需要もあると言われているけれど、それでいきなり一割二割も消費するとは思えない。そんなことを聞いていると素人ですが「単に米不足と言う理由だけで価格は上がっているわけでは無い」という気がします。

昨年の夏頃の「米不足」の時は、秋に新米が出回ると下がる、元に戻る、と言われていたけれど、結局はあの頃から徐々に価格が上がりだし、年末くらいにピークになり、これから少し下がるかも、と言う状況。来月から備蓄米の放出が始まると言われているけれど、それで今は5kg 4000円位の販売価格が3000円位にさがり(それでも、以前の1.5倍)、その後はそれ位の価格が新しい基準価格になるのではと言われています。買う方から見たら「もっと安く」という気持ちは分からないでは無いけれど、私も田圃を持っているので多少はお米関係の話もJAから聞いていたりして、それを考えるとお米の価格は持って上がってくれないと、農家としては作れば作るだけ損する話になるんですよね。「主食」としての位置もあるから、政府も補助金を出して価格安定を図ることも理解出来るけれど、昔なら「標準米」に対してブランド米はそう言うか格闘性から外れていたように思いますが、今はブランド米が中心で昔のような「安かろう、不味かろう」と言われた標準米って余り聞きません。まだJAが流通をコントロールして、急激な価格上昇等無いようにしているのだろうけど、ここ最近の報道を聞くとそういう統制を嫌がり、かつより高価格で買い取りしてくれる一般業者へどんどん流れているのが、まずは価格高騰原因の一つ。

後個人的に感じるのは、飲食店で差別化のために「ご飯に拘る」お店が増えてきていて、多分一部の人気ブランドや高品質米は案外奪い合いに成っているんじゃ無いだろうか。そのために、在庫を予め確保しておき、流通には回らない分が増えているんから、米不足と価格高騰が進んでいるような気がします。だから、備蓄米が出てきても、多分そんなに変わらないんじゃ無いだろうか。今回の備蓄米は、最初に15万トンで全体で今の不足分と言われている21万トンとの事だけれど、仮にそれで解決したらば、なんでもっと早く放出しなかったのかと言われるだろうなぁ。以前の米騒動の時も、結局は輸入したタイ米は売れ残ったし、今回も備蓄米と言う事だけで売れ残りそうな気がする。

今回の騒動がどうなるか分からないけれど、お米の販売価格を上げる実質的な「お米の値上げ」で終わりそうな気がします。でも、それが自然な姿なのだから、農家としても米作りで成形が立てられる仕組みにならないと、どんどん耕作放棄地が増えるだけだろうし、それは避けないといけない。そう言う意味では、お米もブランド内による「高価格商品」と、今後は例えば品質に問題の無いカリフォルニア米を輸入して価格を下げたり、あるいは国産米とブレンドした「新しいお米」みたいなものが、コストダウン、低価格商品の目玉として出てきそうな気がします。 実際ディスカウント店ではお米を輸入販売しているようですが、人気はどうなんでしょうね。20年以上前にアメリカ出張で自炊して、当時のカリフォルニア米を炊いて食べていましたが、その当時でも結構美味しくいただけましたから、今では全く問題な隠者無いだろうか。課題は、船便で運んでくるだろうから、移動中の温度管理かな。そう言うものが入ってきても、一気にお米の価格が2000円とか1000円に成るようなことは無いかもしれませんね。もしかしたら今回の米騒動は、お米の市場価格の底上げを狙った秘密組織の作戦だったのかもしれない(マテ)。

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