2024年7月31日

Lexus NX350h Impression (4) - 車内オーディオ

まだまだ始めたばかりとは言え、車なので「走り」の評価が中心になるのは当然ですが、それなりの時間その内部に座って移動するデバイスという意味では、車内環境も重要な要素になると思います。それこそ、座っているシートの具合だとか、空調などの効き具合や風向等。そして最近の車で重要視されるのが、車内オーディオや車内ディスプレーというAV関係の機能もその一つだと思います。Lexusの場合は、全部のモデルでは無いと思うけれど、デフォルトの「Lexus用車内オーディオシステム」と、オプションで「マークレビンソンオーディオシステム」が選択出来るものがあります。「マークレビンソン」と言えば、多少なりともオーディオを囓ったことのある人なら誰でも知っている、高級オーディオメーカーで、ここのアンプを保有してならすのは、多分誰もが一度は考える夢の一つ。メーカーオプションで20万円以上するのも納得というか、個人的には「マークレビンソンにしては安くない?!」と思うほど。それならば当然自分の愛車に設置するかというと、私は逆に最初から考えていなくて、それは「自動車」という走行装置がオーディオ再生的には一番不利な環境だと思うから。

今回のNX350hはハイブリッド車で、走り出しは基本モーター走行なので凄く静か。その前のUX200はガソリン車でしたが、こちらも走り出しは勿論走行中もエンジン音はかなり押さえられていて、自宅で別に保有している軽自動車と比べると、雲泥の差とは言わないけれど、静粛性はお値段以上のかなりの違いがあると言えます。それだけ静かではあるけれど、全く外部音がしないわけでは無いし、少なくとも走行中はどうしても風切り音は感じられます。また、凄く滑らかな路線ならまだしも、一般道だとどうしても多少の凸凹はあるので、そこを通過するときのガタゴト音は避けられません。更に、自分が出す音以外にも、外部にはもっと五月蠅い車やオートバイが走っているわけで、それらの音も軽減されてはいるけれど耳に入ります。後、結構気になるのはエアコンのファンの音で、今の時期どうしても風量を強めにしている事もあるけれど、この音も気になります。結局、車内に凄いオーディオ製品が搭載されていても、それを再生環境としてはまだまだで、マニアが自宅に設置するような無音室・防音室仕様のオーディオルームレベルにしろとは言わないけれど、かなり環境的には妥協が必要な事は事実だと思います。それでも、少しボリュームを上げればかなり気にならなくはなるけれど、車の中で聞くオーディオというのは、自宅などで拘るものとはかなり違うものであるというのが自分の感想です。

昔の車内オーディオと言えば、AM/FMラジオくらいで、その後カセットテープ再生機能が搭載され、さらに音楽CD再生が可能になりました。そのCD/DVD再生に変わるのがBluetooth接続でシリコンオーディオを接続して再生するもの。まぁ事実上のiPhone連携ですよね。最初の自分の自家用車であるハリアー(中古)にはそれがなくて、5年前にUX200を購入した時にこのBluetooth接続を見つけて「すげーェ」と感激しましたが、最近では軽自動車にも搭載されているくらい「普通の機能」なんですよね。接続自体はそんなに難しいものでは無いし、簡単だとは思いますが、車内で再生される音の品質は段違い。軽自動車の場合は、ラジカセで再生しているような音の厚みがなく、少しシャカシャカした感じの再生音で、音楽を再生するというよりは、喫茶店とかでBGMを流すような背景ノイズを出しているような感じ。それよりは少し上のクラスの、NX350h購入前に代車として使用していたプリウスのオーディオは、ラジカセよりはマシだけれど、それでも昔あった「コンボ式オーディオ装置」みたいな感じで、ステレオ再生は出来るけれど広がり感が乏しく、また音の解像度も中音は良くても高温・低音が乏しいとか、そんな感じで全体としてのまとまりも今ひとつ。その点UX200やNX350hで使用している、Lexusの標準オーディオ装置は、前方シートの回りに複数のスピーカーが配置されて、リア側はウーハーも置かれているくらいなので、臨場感は全く違います。一番感じるのは、音の厚みが感じられてしっかりと音の配置も分かる位の解像度が提供されていること。さらには、スピーカー感のバランスとイコライジング機能もあるので、自分好みの音場を作成する事が出来ます。昔は、やれ5.1chだ、サラウンドだ、スーパーウーハーだと、音作りに凝った時期もありましたが、今は自宅ではスピーカーらしいスピーカーも処分してしまい、スピーカーから音を出して音楽を楽しむのは、自家用車の中だけにほぼなっています。

同じ車内で実際にマークレビンソンの音を聞いたことは無くて、展示車両で少し音を聞いただけですが、正直そんなに違うかなぁと言うのが自分の感想。勿論、走行しながら聞いた場合はに、さらに高い解像度だったり、再生域の違い等感じられるのかもしれませんが。例えば、キャンプとかに出かけて、車中泊ではないけれど車にテントを接続して、そこでこの車内オーディオをならすみたいな使い方をしたら、かなりよい音を楽しむ事が出来るかもしれないけれど、普通に運転しているときに逆に音に浸ってしまうような状態は、ドライバーとして注意力散漫と言われてしまうのでは。実際UX200で何度も経験しましたが、救急車やパトカーみたいな緊急車両がサイレンを鳴らして接近しても気がつかないことが何度もありました。一度だけ、ETCの音声ガイドで「緊急車両が接近しています」と言われて、慌てて回りを見回したら、中央分離帯を挟んだ反対側車線を救急車が緊急走行している場面でしたが、車内オーディオシステムやそのために拡張されている静粛性と言うのもちょっと問題かなぁとも思います。最近だと、後部座席用ではあるけれど車内テレビのオプションなんかもあり、こういうのは小さな子供がいるような家族ユーザーには必須なんでしょうね。昔はFM放送が高音質で音楽中心の内容だったので、CD代わりに利用することも多かったのですが、最近のFM放送は昔のAM放送みたいなおしゃべり中心になってきたように感じて、もう殆ど聞かなくなりました。それだけ、iPhone(iPod)のシリコンオーディオが身近でかつ普通に利用する存在になったと言う事なんでしょうけど。でも、車内にiPhoneを持ち込みエンジンスタートをして車内システムが立ちあがると、自然にiPhoneの音楽再生が始まるというのは、考えてみると凄い世界だなと今更ながら感じます。そうそう、UX200の時は再生中の音楽タイトルの表示とか、結構使い勝手が良かったのですが、NX350hになると液晶パネルに集約されてしまい、その辺りの表示か不親切になった気がします。回想形式にしているので、何を優先して表示するかいろいろ練られているんだろうけど、もう少し簡単にカスタマイズ出来るようになったら嬉しいのですが。あと、マルチパッドの操作はやはり使いづらいし、何でボリューム層は専用の物理ボタンが設定されているのに、トラックスキップとかはソフトスイッチなのか、この辺り自分の使い勝手とかなり違うので、未だに慣れません。ソフトスイッチだから、せめてデフォルト設定はカスタマイズ出来るとか、ボタンの配置くらいは弄れるようにして欲しいなぁ。(続く...)

0 件のコメント:

コメントを投稿