2024年3月7日

電脳ETC

電脳ETC」という、結構仰々しい名称で何だろうと思ったら、コインパーキングの入庫・出庫の煩わしさを、画像認識AIを活用して、物理的なゲートや精算機等を不要にするというアイデア。 この記事を読んで思いだしたのが、昔痛い目に遭ったPlatePassサービス。有料道路の利用を、車のプレートナンバーをカメラで読み込んで、予め登録されているアカウントへチャージする仕組み。当時は、カメラの性能やプレートナンバーの認識精度が低くて、ナンバーの誤認識による誤請求とかで米国では裁判沙汰にもなっていたことも。似たような仕組みとしては、私の知っている場所では、中部国際空港(セントレア)の駐車場が、入庫時に利用チケットは発券するんですが、その時に車のナンバーを一緒に記録していて、駐車場へ戻る時に清算処理をすると、出庫する時はナンバープレートを出口で認識して物理ゲートなどの通過は不要な仕組み。それをさらに進めて、しかもカメラやスマホを利用することで、よりコストダウンもしているという事なんでしょうね。

素朴な疑問として、事前に登録していない車が、意図的あるいは無意識にでもこの駐車場へ入ってきた時にはどう対応するんだろうか。近くに監視員がいて、アラートが飛ぶと確認に現地に出向くのだろうか。都心などの、狭いエリアに有る程度駐車場が固まっているような地域ならそれも可能だろうけど、地方などで離れた場所に点在しているような場合には非効率になりそう。そういう状況は、今良くあるゲートや車輪ロック方式での駐車場でも起こりえるけれど、そう言う仕組みの無い今回の「電脳ETC」の場合はさらに困るんじゃ無いだろうか。まぁ、ナンバーは画像記録として残るので、そこから所有者を割り出して後日清算請求するのかなぁ。

チケットレスという意味では、先日市内の駅近郊のコインパーキングを利用した時も、駐車スペースに1番から番号が振ってあって、入庫すると車止めのストッパーが作動して車を固定。出庫する時は、精算用の端末で自分が止めているスペースの番号を入力すると、多分ストッパーが動作してからの時間を計算して表示されます。清算をすると、ストッパーが下がるので、そのまま外に出る、と言うような仕組みでした。多分一定時間経過すると、再びストッパーが上がって早めに清算して安くしようという事は出来ないんでしょうね。そのストッパーすら無くすのが今回の「電脳ETC」だけれど、形態はどうあれ、物理的に車を移動させない仕組みを作らないと、なかなか不正利用対策は難しいと思うし、その部分のコストがこの手の駐車スペースを開設する時のネックになるんだろうなぁ。

10分位の短時間の不正利用に関しては、1回2回なら目をつぶるけれど、何度も悪用するようならば、直ぐに対策するような仕組みを作っているんだろうか。つまり、複数の駐車スペースを監視している担当者が、その場所に迎える時間を10分以内と設定しておいて、ブラックリストに乗っている不正常習犯が来たら、最優先でアラートを上げるようにしているとか。若しかしたら、その駐車場の外とかにも監視カメラがあって、不審な車が接近してきたら、前倒しでアラートを出すような仕組みまであったりして(笑)。運用会社側の不正利用対策はその分のコストリカバリーも含めて大変そうだけれど、その土地・場所を貸し出す家主側としたら、更地のままでいいわけだからそこは大きなメリットになりそう。設備投資は運用会社側が負担するとしても、将来的にその土地を別の目的で利用する考えがあるならば、やはりその場所は出来るだけ現状に近い状態で維持される方が楽ですからね。そのうち、浜松にも出来るだろうか。浜松はそこそこの車社会で、駅周辺市街地の駐車場不足が昔からの問題なんですよね。でも、もう市街地には土地は無いから、立体駐車場みたいな設備でこの仕組みが利用できれば。でも、その場合は一番コストが掛かりそうな立体駐車場の設備を建築しないといけないから、貸し出す側としては旨味が少なそう。

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