2024年2月28日

The Silent Service (3)

話題になっているAmazon Primeで配信されている「The Silent Service」 。私も公開されると早速視聴をして、久しぶりに面白い作品を見たと感じました。自分の場合この手の動画配信でも、一般の映画でも、一度見てしまうとその内容とか覚えてしまうので、もう一度見直すということは殆なくて、あっても10年とかかなり間が開いて記憶も薄れてきてから再視聴することが常。でも、今回の作品は初めて視聴してから一週間くらいで、再び最初から見直しています。

改めて見直してみると、一回目に感じた違和感というか「むむむ?」と思う部分がより強く感じられますね。いちばん強く感じるのは、上戸彩さん演じるキャスターに、海江田艦長が「核を保有しているか」と問われて「イエス」とあっさり答える部分。原作にはない部分で、かつ原作では核保有に関しては最後まで明言せずに、たしかニューヨークに着いてから山中副長が核弾頭保管庫に何も無いことを見せるんだったかな。そこで初めて、「核兵器は、使用する事では無く、抑止力としてのみ意味がある」という海江田艦長の意志が完結するストーリーだと思うんですよね。最終的には、何十年後日には核兵器の完全廃棄というところまで行くかもしれないけれど、この物語の中では「沈黙の艦隊」が常に核抑止力で世界に蓋をしている事で、紛争停止するという事がテーマだったので、あの「YES」は原作の否定にもなるような重い「YES」に感じたんですが。

結局なんであんなシーンがあったのかその後のストーリーを観ていると、ああいう形でキャスターが一般に「核保有」を宣言することで、東京湾を封鎖た第3艦隊を牽制したかったという背景になってしまい、それはちょっと元のストーリーとは異なる気がするんですが。強いて制作者側の意図を想像するには、原作ではその辺りの「やまとvs米軍」の腹の探り合いみたいな所が、やや分かりづらいというか、もう少し一般受けするような分かりやすいストーリーに変更したんだろなぁ、と。あと、前回も感じましたが、この後の「核抑止力」という部分の狂言回しでは無いけれど、説明役みたいな形で上戸彩演じる女性キャスターが設定されているのかな。仮に、物語終盤の国連への出席と狙撃シーンまでこの後のエピソードで描かれるとすると、そのまとめを彼女がして世界平和を訴えて終わるような気がする。それはそれで悪くはないけれど、好き嫌いが分かれる様に思います。

次のエピソード制作が決まったという記事も観たんですが、どこまで描くのか、そこが気になるところ。北極海でのベイツ兄弟との戦闘は、その為に米ソが核戦力を引き離すという事が一番重要な部分だと思うんですが、それをどの様に描くのか。また、最後の国連出席シーンは勿論だけれど、やまと以外の核原潜が「The Silent Service」に加わり始めると言う部分も、個人的には重要な伏線だと思うんですよね。ただ、映像的には地味なシーンだと思うし、その辺りをどの様に一般視聴者に訴求していくのか、結構映像的には難しい気がします。その辺りをどの様に描ききるのか、内容とともに原作には無い実写版世界観の展開にもちょっと期待したいところです。

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