2024年1月25日

日本らしさ、とは

今年の「ミス日本グランプリ」に、ウクライナ出身で2年前に日本に帰化した椎野カロリーナさんが選ばれた事に、賛否がという記事。例えば、ご両親の一方が日本人であったりとか、あるいは祖父母が日本人というのであれば、もう少し印象は違ったのかもしれない。最も、「日本人」と言っても、そのご両親の「日本人」の方も、実はアメリカ生まれの人で日本には帰化した「日本人」とかだったら、また反応は違うのだろうけど。

このミス日本グランプリへの参加基準は「日本国籍を持つ17~26歳の未婚の女性」という条件らしい。「日本国籍所有者」なので、元々日本に住んでいた家族から日本で生まれた人は自然と日本国籍になるだろうし、今回の様に海外出身だけれど聞かして日本国籍を取得すれば、その人も「日本人」のはず。それこそ今回の選択に疑問を感じるのであれば、「遺伝子の〇〇が、××の状態で、かつ出生時日本で生まれている女性」とか限定した条件をどんどん付けていかないと、あの人は駄目この人も駄目みたいな話しか出来なくなってしまう。と言うか最近の状況だと「女性」の定義だって怪しいわけですよね。多分「生物学的に『雌』である、性自認が『女性』」とかまで言わないと、トランスジェンダーの人は参加出来ないのかとか、言う話だって出てきてしまう。さらに言えば、「ミス日本」という「ミス(Miss)」だって、女性に対して呼びかけなので、これに対しての疑念を呈することだって出来てしまう。

応募条件を満たしていて、審査員30名が、内面、外面、行動の3側面から「日本らしい美しさ」を審査して投票で決まったのだから、ウクライナ生まれだから「外面」に関しては得点は低かったのかもしれないけれど、それ以外で高得点を獲得したから、この人はグランプリ獲得出来たんでしょう。日本人でも、ぱっと見「ハーフ、クオーター?」と感じる人も居るから、正直見た目の違いってそんなに関係無い気がする。「日本人は、目は一重で、鼻筋は曖昧で、鼻孔は大きめで、唇はぼってりして小さめ」とかいう定義が存在するならまだしも、そんなことは無いのだから「外面」の審査基準というのは「見た目」では無いんでしょうね。例えば、身なりが清潔であるとか、お化粧の程度が濃くないとか、そんな感じなのかな。そうなれば、ウクライナ生まれで遵守的に日本人と異なるという事は問題にはならないでしょうね。

逆に、彼女の場合は見た目の違いがあるわけだから、そこで日本人風の仕草や行動をしたら、そのギャップで逆に印象が強くなるんじゃ無いだろうか。それって、ある意味彼女の「武器」にもなりそうな気がする。勿論、そう言う事を狙って参加したわけでは無いと思うけれど、そういう判断も出来るのでは。見た目だけを問題にするのであれば、要望的には近い中国とか韓国の女性が日本国籍を取得して今回の様にグランプリを獲得したら、今度はどんな理由を言い出すのだろうか。大体今の日本人だって、何台か祖先に遡れば、どこから来たのか分からない人も結構多いんじゃ無いの。日本人(大和民族)と言うけれど、地面から沸いて出たわけでは無いだろうから、ユーラシア大陸から移ってきた人が祖先の祖先だろうし、そうなれば少なくとも東南アジア出身者は似たようなものだろうし。さらに遡れば、人類の祖先は南アフリカから来たとも言われているのだから、それを考えたら今の世界の出身国というものには意味は無く、社会生活の基盤としてどこの国に帰属しているかという「国籍」条件だけ満たしていれば、「その国の人」と認識して良いのだと思う。その上で、自然と出る振る舞いや行動や考え方みたいなものが、周りの人から「あぁ、自分と似ている、共感できる」と感じられるのであれば、それが「日本人らしい」という認識で良いと思う。逆に、日本人の両親から生まれても、海外で出産して二重国籍になり、結果的に日本以外の国籍選択をした人は「日本人」ではないし、このコンテストの出場資格も無いわけですからね。そう言う意味では、今回の結果はフェアだと思うし、今の時代はこういう考え方というかこう言う事が「普通」になっていくと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿