2023年11月26日

疑似世襲議員

先日の「世襲議員」の話題について、いろいろな意見を見聞きしてふと思ったんですが、例えば「医師会」とか「〇〇労働組合」みたいな所から選出される議員って「準世襲議員」と言ってもいいような存在なのではと思うんですよね。つまり、世襲議員というのは親とか親族の前議員から「地盤(=支持者)」「看板(=知名度)」「鞄(=政治資金)」を引き継げるから、殆どそれらを持たない新人立候補者は著しく不利、と言う話なんだと思います。となれば、そういう団体からの立候補者も似たような存在なのでは。

でも、国会議員が国民の選挙で選ばれている以上、世襲議員かどうかは関係無く、如何に選挙で投票して貰える、有権者から支持を得られるか、というのが最大の要因になるはず。そうなると、「世襲議員」よりも確実に投票してくれる支持者がいる候補者の方が遥かに有利なわけで、だから例えば公明党議員はその地域の創価学会会員からの固定票があるから、そういう場所からしか立候補しないだろうし、労働組合などからの立候補者は、その組織票が見込めるから業界代表として選出されて立候補して議員になって、時にはその組織の代弁者として活動もするんでしょ。

確かに世襲議員だと「三バン」を得やすいだろうけど、それ以外の立候補者だって、

  • 地盤: 基本的に所属政党としてはその議席は守りたいから、前任者の選対組織なり支持組織を引き継いで新人候補者は選抜されるし支援されるだろうから、世襲は関係無くてその地域でのその政党なり組織の力の具合が全てでは
  • 看板: 所謂「知名度」の問題なので、地元の名士と言われるような人が立候補者として多くの場合選抜されるだろうし、場合によっては有名人や著名人が選ばれるわけで、逆に「世襲」故に知名度が低くなると言う欠点だって有るのでは
  • 鞄: その世襲議員の家系が地元の名士で資産家で富裕層であるならまだしも、基本的には全候補者の団体から寄付を受けて新しい組織へお金が移動するのだから、そこは余り関係無いのでは。その候補者の知名度で、例えば寄付とかカンパとか借り入れが有利になることは有るかもしれないけれど、それだって世襲とは関係無い話だろうし
そう考えると、一人区で地元からの支持の多い有名議員だと確かに有利さは生まれるかもしれないけれど、そうで無い場合は逆に有名タレントとか有名解説者とか、そういう対抗馬を擁立してもいいわけで、実際そういう候補は幾らでもいますし。

逆に「世襲だから」と、親の地盤を引き継がされて半ば強引に立候補させられる候補者もいて、そういう場合はその新人議員が苦労する場合も多いのでは。それならば、「世襲議員」というのは野党から見たら「付け入る隙のある美味しい獲物」になるわけで、どんどん増えて貰った方が有利になると思うのだけれど。他分野党議員としては、遺産相続みたいな感じで、「議員」という地位がそのまま右から左にスライドしてくるみたいな感じで言っているんだろうけど、それ程甘くないことは自らも選挙の洗礼を通ってきていて知らないはずは無いと思うのだけれど。結局は、地元の知名度と言う点で落下傘候補が敗れたり、元々支持されていないような立候補者を擁立した政党側のミスだと思うし、それを体よく相手へぶつけているだけだろうな。世襲議員の善し悪しなり、その資質に関して批評することはどんどんやるべきだと思うけれど、それは別に「世襲」という属性だけで無く全ての議員に対して問われるべきものだと思う。

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