2023年7月19日

NCAAチャレンジ

アマチュア横綱で、スモウ重量級の世界チャンピオンでもある、日本体育大学の花田秀虎氏が、アメリカのコロラド州立大学に入学して、NCAAフットボールプレーヤーからNFL選手を目指すことを発表。一昨日にご本人から「明日=昨日)重大発表をします」と事前告知が有ったので、多分NFL挑戦に関係した話で、時期的に米国の大学進学の話かなと思っていたらズバリでした。ただ、コロラド州立大学(CSU)とはちょっと意外だったけれど、複数の大学のオファーからの選択らしいので、そこは凄いと思う。

CSUでは3年間プレーが可能と言う事なので、先ずは最初の1年間は下地作りというかしっかり本場のプレーやシステムを学んで、残り2年間でどれだけ活躍して注目を集めてドラフト候補にまで成長するかですね。正直、道のりは険しいと思うけれど、過去同様にNFL挑戦をしてきた日本人選手の中でも、一番好位置からスタート出来ると思うし、能力的にも過去の著名選手と比べても遜色ないと思うので、大きな怪我とか無ければかなり有望な気がする。ただし、彼が現在希望しているDL(Defense Line)は、スーパーマン並みの選手が集まるとんでもないポジションなので、個人的にはもう一つ後ろのLB(Line Backer)、その中でもDLの外を守るOLB(Outside Line Backer)が良いような気がします。ただ、CSUで基礎からもう一度鍛えてもらえたら、サイズは十分あるので(185cm/133kg)、案外大化けするかもしれないけれど。

日本高校や大学から、現地の大学に進学して大学チームのレギュラーやNFLを目指す選手は、これまでも何人も居たけれど、残念ながらNFL入りどころか大学チームのレギュラーになるのも厳しい状態。色々理由はあると思うけれど、やはり大きな壁は「英語」かなぁ。単に「話せる」レベルでは無く、咄嗟の時に出る一言とかスラングとか、ネイティブ化だけでなく、そのチームや地域のローカル化も含めての英語能力が要求されると思うので、難しいと思う。花田氏も、NFL挑戦を目標に設定したから、運動能力だけでなく英語能力のアップのための努力も続けていたそうで、そういう部分も含めてこれまでの先人達の経験が役立っているような気がします。さらに言えば、向こうの大学チームの場合、運動だけ出来ても駄目なわけです。学業成績がふるわなければ、練習参加も止められるのがルール。不慣れな英語での授業にどれだけついて行けるかも重要な要素なわけで、心身ともにチャレンジであることは事実。だからこそ、是非頑張って結果を残して欲しい。

今でも、「元アマチュア横綱」「相撲世界チャンピオン」という実績があるが故に、これだけ注目されるわけですが、ある意味彼がこのNFLへの道へと進む切っ掛けとなったのが、昨年開催されたXリーグ所属チームで開催した「合同トライアウト」。想定していた、大学チームでの経験者以外にも、色々ユニークな参加者が当時は見られたけれど、その中でも彼は異色の存在。当時、アマチュア横綱になり、将来は大相撲の横綱確実と言われていた逸材だけに、最初はちょっとした気まぐれみたいな印象も受けたけれど、今となってはあの時の経験が彼の思いに火を付けた様に思いますね。その後の彼の行動は、まさにNFLしか見えなくなったような印象を受けるし、そのために周りも支援したけれど、やはり彼が一番準備も努力もして居るように見られるし。まだまだスタートラインはおろか、やっとレースへのエントリーをしただけの段階だけれど、しっかりゴールを目指して頑張って欲しい。

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