久し振りにPCWatch山田祥平氏のコラムから、最近のAIの動向に付いて。 最後のまとめ部分で、コンピューターの使いやすさの追求から、初心者ユーザー向けにGUIが発達してきたけれど、AIの発達と普及でそう言うものが不要になる世界が提供されるかもと言う部分は、以前自分が感じた「先祖返り」の話とも共通するような気がします(自画自賛-笑)。とは言っても、昔のようにコマンドプロンプトに難解なコマンド名やオプション列を追記して複雑な処理をAIに実行させるような「先祖返り」ではなく、多分「一言コマンド」に色々な意味を含める行為を、AIが賢くその場の状況判断も含めて判定して、ユーザーが望む作業をするような「一世代成長したコマンドプロンプト」みたいなものが実現するように思います。
例えば、自分が少ないながらもAIを利用して感じるのは、今の所まとめて一括処理をさせるのは便利だけれど、卓司処理をさせるとなると少し手間が掛かるという事。例えば、日本語文章を英語日本訳して、まとめるような作業を処理する場合、一括作業としてはその日本語文章のファイルを指定して「英語に翻訳して、概要を作成」みたいなコマンドを入れれば済むわけです。で、そのままでは使用出来るかどうかは不定なので、翻訳後の文章をレビューするんですが、そのレビュー作業は1行1行原典と付き合わせての逐次作業になるのですが、これがなかなか面倒と感じます。例えば一部分の単語や言い回しを少し変更したい場合、その場所を指定して修正するわけですが、その場所にカーソルを移動させる「作業」は物理的にポインティングデバイスを使用してポインターを画面上に動かさないといけない。昔なら「何行目の何文字目」みたいなコマンドを入れたりしたこともありますが、直感的にその修正場所を指定出来るのはGUIの大きなメリットだと思います。ただ、文字入力というキーボード操作から解放されつつあるのに、マウス操作だけ今後も残るというのはちょっと矛盾している気も感じるわけです。
少し前の技術だと、「ジェスチャー」でページ送りをしたり、拡大・縮小等をするという技術がありました。この技術をさらに発展させて、例えば視線を追随して画面上の特定部分をポイントするなんて言う事は、今のAI技術を使えば簡単に実現出来そう。勿論、単に視線を追随するのでは無く、編集の意図を持ってみているのか、ニュースページなど単に読み流しているだけなのか、そういう部分を判断しつつカーソル操作をするところが、AIの介在する利点なわけで、明確に「ジェスチャー」でコマンドを出さないといけなかった以前と比べても、かなり自然な状況で作業が出来る事が期待出来ると思います。「視線」と書いたけれど、例えばその人の癖で、単に文書を読む時には「手を組んでいる」みたいな属性が分かれば、それも監視することで作業中なのかそうで無いのかという判断も高精度で可能になるでしょう。そういう自分でも認識していないような要素は、以前の技術だと一つ一つ説き起こして何らかの形でデータ加工しないといけなかったけれど、今のAI技術だと「学習」という形で使用しているうちにどんどんAIの方が学んでくれる時代では無いかと。勿論、事前に基礎データを入れて置いて、それと実際の状況を比較させるなど、効率化のための手段は幾らあっても良いけれど、そこからさらに賢くなる可能性が今のAI技術には期待出来るのかなと。
そうやって賢くなったAIが利用可能になったとして、次の問題点は「そのAIがどこに存在しているのか」という事では無いでしょうか。今の場合は、クラウド上に個別に格納されているだろうし、場合によっては利用したパソコンの中にキャッシュみたいな形で保管されている場合も有るかもしれない。クラウドに自分の「癖」が保存されて行けば、そこに繋がる別のデバイス、2nd用PCとかスマホとか場合によっては自動車とか、いろいろと活用範囲も広がるでしょう。一方で、今の状況だと「ネット接続出来ない環境」も多いわけで、AI活用で便利になればなるほどそういう場面との乖離が大きくなることも問題だと思います。そのため、個人的に欲しいなと思うのは、AI専用のデバイスというか、AIエンジンとデータベース、そして通信機能が纏まった「相棒」みたいなデバイスが出来たら、それを常に早着していてどんどん自分好みに賢くなってくれないかという事。スマートウォッチの発展形としても考えられるだろうし、スマホの拡張機能でも良い。常に自分が身につけていれば、自動的に使用するパソコンとかスマホとか自動車とリンクをして、それらリンク先のデバイスはその「相棒」をAIとして認識して利用する。「相棒」はクラウドにデータをバックアップしていき、必要な場合は今のようにクラウド型としても機能できるようなデザインにすれば、万一の場合もリスクは小さくなるでしょう。で、その「相棒」にはマイナンバー機能も内蔵させて、万一の場合のバイタルモニターとか決済機能とかも含ませたら、年末調整は自動的に処理されて、各種届出も出来る、みたいな事を夢想するわけです。その為にも、コラム同様「長生きしないと」という点には1000%同意ですね。
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