アスパルテームの〝発がん性〟の意味を解説しました。歴史的な経緯も。
— 松永 和紀 (@waki1711) July 14, 2023
どうも、日本語の報道は、ずれているものが多いです。メディアの人たちに読んでもらいたいなあ。やっぱりちゃんとした識者、国立医薬品食品衛生研究所安全情報部とかに取材してほしいhttps://t.co/P4sdeE81n0 @WEDGE_ONLINEより
科学ジャーナリスト松永和紀氏による、人工甘味料「アステルパーム」に関しての報道に付いての補足。国内の報道では、広く使用されている人工甘味料(ノンシュガー甘味料)のアステルパームが「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」という「グループ2B」に分類されたことから、このアステルパームが発がん性物質(正しいけれど正確では無い)とセンセーショナルに伝えたこともあり、混乱するような状況に。
IARC(国際がん研究機関)の発表では、「発がん性がある」ではなく「発がん性がある可能性がある」というレベルに、今回このアステルパームが分類されたと言う事で、同じ並びにはわらびとか鉛とか、一般に知られたらものも有るわけで、大分国内報道の印象とは異なる内容。今回の発表は分類上の話で、アステルパームを接種したらがんになると言う単純な話では無いことは記事からでも理解出来る話だと思うんですよね。今回の件が問題だと言うのであれば、「発がん性がある」とグループ1に含まれるアルコール飲料なんか、全廃しないといけなくなるけれど、そんな話は誰もしない。適量であれば、リスクはあるけれど一般的には問題無い話なわけで、今回のアステルパームだって同じだし、リスクと言う観点から言えばアルコール飲料よりももっと低いだろうし。こんなことを言い出したら、例えば「自動車は殺傷能力を持つ可能性がある」と言う事も心配しないといけなくなってしまう。事実、自動車事故で歩行者や衝突相手が亡くなることはあるから、「殺傷能力を持っている」事は事実。でもそうなるためには、加害者側の不注意であるとか、衝突した時の状況(スピード、衝突確度、衝突位置等)等様々な要因から、全く無傷の場合から最悪の死亡まで可能性があるわけで、だからこそ自動車事故を起こす可能性がある自動車に対して、その車だけに対してリスク評価をする事は難しい。ドライバーの運転履歴とか、その場所の状況等加味されて初めて「リスク推定」出来るのは、今回と同じ話。
今回の記事で思いだしたのが、昔仕事でアメリカに滞在していた時のこと。食事のために、レストラン(例えばピザ屋さんとかステーキハウス)に入ると、だいたいテーブルにはコーヒー用のミルクと甘味料の小袋がセットされています。その中で最初びっくりしたのは、その甘味料の小袋が複数種類どこのお店にも置かれていて、だいたいは、1) 砂糖、2) サッカリン、3) アステルパーム、というパターンが多かったように思います。私は、砂糖と人工甘味料類の味は違いもあるだろうなと思うけれど、サッカリンとアステルパームの違いなんて気にするヒトなんて居るのかと当時はびっくりしたけれど、多分好きな人は拘りというか味の好みもあるんでしょうね。砂糖の何十杯も甘いという、その人工甘味料の小袋を幾つもコーヒーの中に入れて飲むアメリカ人の様子を見ていると、ちょっと恐くなったことも(笑)。福島第一原発の処理水放出も同様だと思うけれど、一つの結論とか数字だけが一人歩きをして、その背景なりが置き去りにされるから、元の意味とは全く異なる意味に解釈されることは、科学に対しての冒涜でもあるし、その人にとっても不幸だと思うんですよね。だって、有りもしないことに集中して、貴重な時間を浪費する事になるわけだから。で、こう言う微々たるものには過剰に反応するのに、例えば食べれば命の危険があると分かっていて厳格に管理されているはずの「ふぐ毒」に関しては、まだ迷信みたいな事を信じて肝を食べて重篤になるとか、懲りないヒトも居ます。それが人間の人間たる所以なんだろうけど、でももう少し賢く生きようと、つい言いたくなりますね。
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