2023年6月23日

当てにならない「指数」

ジェンダーギャップ指数に関して詳細に解説する記事。筆者のRadert氏の過去の記事を見ると、記事本数は決して多くないけれど、ジェンダーギャップに関して詳しく分析・説明する記事が3年前から登録されていて、それらも読み応えのある内容。私も、2年前に呟いたやはりジェンダーギャップ指数に関しての疑問に関しては、やはりこのRadert氏のこちらの記事が切っ掛けでした。

世界的に参照される指数の一つ「ジェンダーギャップ指数」ですが、その算出方法に関しては以前から疑問が投げかけられていて、私のように素人が見てみても、「経済、教育、保険、政治分野」の指標を出している、逆に言えばその4分野だけで評価していることに偏りを感じます。例えば政治分野に関しては女性政治家の数が少ない、女性閣僚の数が少ないと言われますが、まずは女性議員が増えないことには女性閣僚の任命も増えないだろうから、まずは女性議員を増やすことが先決になるわけです。女性議員を増やすためには、女性議員の立候補者を発掘しないといけないけれど、そこで男性立候補者数と差が出てくる。政党の中でざっと見てみると、共産党はかなり女性候補者数が多い気がするんですが、それ以外の政党では大体3割前後くらいだろうか。そう言う意味では、まずはこのジェンダー指数の低さを問題視する政党自らが、自分達の解決策を提示するべきだと思う。ただ、数だけ増やしても内容(質)が伴わなければ、選挙という選択を通ることは無いだろうし、仮に当選しても迷惑なだけだから、単なる数合わせだけは止めて欲しい。

「指数」に関しても、0が完全不平等、1が完全平等と定義されているけれど、ここで言う「完全平等」とは、男女比で女性側の比率が男性を上回っている場合を指し、しかも1.00以上は1に切り捨てられるというよく分からない基準。「完全平等が1」と言っているのに、それ以上の状況が存在しているということは、「1は完全平等だが、1を超えた場合は女性優位、男性不平等」と言われないための防御なのだろうか。しかも、記事の中でも指摘しているけれど、スコア1を超える国が73国もあるので、時点のスコア0.997の国が順位としては74位に一気落ちてしまう。男女比が50:50ならスコア1で「同率1位」なのに、それがずか0.1%男性が上回ると、スコア0.996となり74位になるというのは、その基準付けというか評価指数の算出方法が間違っている、偏っている、実状を反映していない証拠だと思う。

私が個人的に凄くこの指数に不信感を感じるのは、日本のジェンダーギャップ指数が146ヶ国中125位と騒ぐけれど、男性よりも女性の幸福度は高かったりするわけです。これは「幸福度の差」なので、別の言い方をすれば日本の男性と女性では幸福度の感じ方に差があると言う事を示しているだけで、それぞれの感じる幸福度の絶対値が高いか低いかは分からない。高い幸福度の中での差ならまだしも、低い幸福度でさらに差があるというのは悲惨でしか無いので、そういう所も評価しないといけない。ただ、ジェンダーギャップ指数というものが女性よりも男性が優先されている事を示す指標の一つであることを考えると、それでも女性の幸福度の方が高いというのは、女性自身がそういう政治とか経済とかという分野で仕事をする事を望んでいない証拠にもなるんじゃ無いだろうか。性別以前に、同じ男性出会っても年齢だとか生まれ育ちの違いだとか、あるいは考え方や回りの影響などで、どの様な職業やどの様な分野で活躍するかは人それぞれ。そんな状況で、男女比率を1:1にするべきというのは、かなり無理がある要求だと思うし、場合によっては強制とか虐待に近い状況にもなるのでは。指標の重み付けとか算出方法に疑問があるけれど、ジェンダーギャップ指数で参照されている分野で女性の進出が少ない事は事実だと思う。ただ、それは女性には難しいから別の選択肢を選んでいる事も有るだろうし、無理矢理数合わせだけで解決することは、ご本人にとっても、その影響を受ける我々にとっても不幸でしか無い。単にこの指数を盲信する極々一部の人が自己満足するだけだと思う。

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