2023年6月21日

悪用される映像 (2)

以前から問題となっている、NHK制作番組の軍艦島炭鉱内の映像とされていたものが、実は当時の映像ではなく戦後の昭和30年に撮影されたものと分かったという記事。映像内容から、当時の島民からは実際現地での映像では無いと指摘されてきたけれど、NHK側としては「軍艦島以外という確認が取れない」という、肯定とも否定とも言えないような曖昧な回答をしていたわけで、それも結局はNHKとしても後ろめたい事実が当時から分かっていたからなんじゃ無いだろうか。

記事にも書かれているけれど、このNHKの番組で使用された問題の映像は、韓国にも提供されていて、さらに無断で使用もされているとの事。無断使用に関しては、その映像の真偽は別にしてもちゃんと抗議するべきだし、今回韓国が言うような当時の映像では無いと言う事を制作側のNHKが認めたのであれば、ちゃんとNHKとして訂正報道をするべきじゃ無いの。次の問題は、その映像がどういう場所でどの様に撮影されたものなのかということ。特に映像の二次使用に関して言えば、園映像の制作費は「受信料金」から制作されているわけで、そう言う意味では自分達のお金から作られた資産(素材)なわけです。民放の番組は、広告料を元に制作されたものだから、その制作局が権利を持つだろうけど、NHKの場合は一次的にはNHKの資産(素材)でも、我々にもその映像に関しての権利はあると思うんですよね。

当時の島民からは、映像にあるような装備・状態では実際に軍艦島では採掘していなかったという指摘も出ているし、そうなると別の場所での採掘の様子を撮影したものの可能性が一番高いと思われます。当時の取材資料などはもう残っていないだろうから、なかなか特定することは難しいだろうけど、坑道の様子とか似たような映像との比較などして分からないものだろうか。後別の可能性としては、この番組のために採掘の様子を別撮りした、所謂「再現映像」の可能性もあるでしょうね。園は場合でも、時間が経過しすぎているからやっぱり当時の資料などは残っていないだろうなぁ。

今回の証言は、自民党による会議にNHKの専務理事が出席して明らかにしたと説明されていますが、となるとNHKとしても正式に映像が昭和30年制作である証拠が見つかったからなんでしょうね。であれば、前回は否定とも言える状態から今回の確認に至った作業内容やその経緯に関しては、事実上映像内容は軍艦島のものでは無いことが確定したならば、その使用の差し止めと訂正報道などの対応をどの様にするのか、そういう部分も明らかにして欲しい。実際の映像では無いと確認されても、多分韓国側は今後もこれまでの主張を続けるだろうし、この映像にしても「証拠」として使い続けるだろうから、それに対しても対策も必要だし、それはNHKの責任でちゃんと対応させるべきだと思う。それが公共放送としての責任だと思う。

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