アカデミー賞での、ウィル・スミスの平手打ち事件。理由はどうあれ、相手の「言葉の暴力」に対して、実際に実力行使したことは拙かったと思うし、その点はウィル・スミスの落ち度だと思う。その点は、彼に非があるし弁解できない行為である事は間違いなと思う。
一方で不思議なのは、クリス・ロックの発言(ジョーク)に関して、余り批判されないことで、これは個人的には意外だったこと。ウィル・スミスの奥さんが、脱毛症対策のためにスキンヘッドにしている事は、ご本人自ら発言していて周知の事だろうし、後から聞いてたニュースでは、クリス・ロックは以前にも奥様のジェイダ・ピンレット・スミスを同じようなジョークの対象にしたらしい。となれば、この舞台での彼の発言は最初から意図した物と言えるわけで、そう言う意味では前回の発言の反応を見て「いける」と思ったのかもしれないけれど。
実は「G.I.ジェーン」は、私は何故かDVDを購入して持っていて、作品の内容も結構好きな映画なんですよね。で、 SEALSに入隊したデミ・ムーアが、虐めに近い訓練に耐えるために頭を剃って覚悟を決めて、最後は実戦で結果を出して認められる、見たい内容だったと思います。そう言う意味では、坊主にしたのは自分の意志を示すためで、そう言う意味では病気との闘いを周りに示すために髪の毛を剃って、それを隠さずに当日の舞台にも参加していた奥さんの気持ちに近い物があるのかもしれない。ただ、その動機は異なるわけで、今回の場合は病気が理由な訳で、決して自分から望んでそうなったわけじゃない。しかも、その理由は病気な訳で、そこにジョークのネタにして好ましい理由は無いと思うんですが。でも、何故か普段そう言う行為を批判するであろう、人達からの反対や批判が殆ど聞かれない気がするんですよね。それは何故なんだろうか。
あと、自分の受賞時にウィル・スミスが謝罪も含めて発言をしていて、その中で、自分のことを弄られるのは我慢するが、家族にそれが及ぶことは望まないみたいな話をしていて、それはもっともなことだとも思うんですよね。日本では、結構一絡げに扱われるけれど、アメリカなんかだと家族のことを言われることは結構嫌われた気がするんですよね。今回は、そう言う反応に関しても鈍い気がして、それは何故なんだろうか。奥様も女優なので、一般人ではないから某かの注目の対象になることは仕方ないとは思うけれど、ただそれってやっぱり個人的人権ってどうなのといつも感じる所。幾ら表に出てビジネスする商売とは言え、そこにも限度はあると思うんですよね。仮に彼女の丸刈りが、何かの宣伝のための扮装の一つだったり、新しいふっしょんの一つとかだったら、それなら今回のジョークも成立すると思うけれど、今回の様に例えば抗がん剤治療している場合とか、別の病気で仕方なく坊主頭にせざるを得ない場合でも、同じ事を言うのだろうか。いずれにしても、個人的にはアメリカ社会の裏の部分が一寸垣間見えたような気がする、今の反応みたいなものを感じています。
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