2022年3月30日

停戦交渉

トルコの仲介で行われた、ウクライナとロシアの停戦交渉。伝えられている内容だと、ウクライナ側が自分達の要求を提示して、ロシア側はそれを持ち帰ったところのように感じます。一部報道では、ロシア側が北側からウクライナ首都のキーフへの侵攻を縮小しているとも伝えているけれど、肝心な東部や南部戦線は変わって居らず、ロシアが一番重要な自国との国境沿いやクリミア周辺を確保して、実質的な黒海・地中海へのアクセスを確定させることに集中するのだろうか。

しかし、元々はロシア側が違法にウクライナ領内に侵攻し、ウクライナ軍だけで無く一般市民の多くを殺害し、さらには強制的に移住させたりと、言ってみれば「暴挙の限り」を尽くしている。その側が自分達の要求を飲めとウクライナに言っているのは、強盗犯が侵入した家屋の中で、そこの住人に防犯の重要姓を説明しているような大きな矛盾と困惑を感じるところ。ウクライナとしては、先ずは戦闘状態を停止して、必要な国民の避難や支援・援助をしたいところだけれど、ロシア軍がそれを許していない。実は、厳しい状況なのはロシア軍の方が切実で、補給路の問題や想定外の被害状況等、もしかしたらもう少し踏ん張れば自ら崩壊してくれるかもしれない。でも、それがいつ来るかは分からないし、その間にも国民の生命が失われるとしたら、やはり国の指導者としては少し先にある勝利よりは、直前に横たわる人命優先になる事は仕方ないでしょうね。

ただ、ここまで被害を出し国際的な批判や制裁の対象となっているロシアですから、仮に戦争以前の国境線まで交代しても、散々に好き放題したウクライナの都市や住民への補償はどうなるか不明だし、彼らも自国民に対しては「勝利」を言わなければならない以上、某の戦利品は必要な訳で、そこは元々言っていた「自国民の保護」を獲得しないと納得出来ないだろうなぁ。クリミアに関しては、ウクライナ側からは15年位の話合い期間の提案があったようですが、それだってどうなるかは分からないし、ロシアとしては何が何でも確保したい領地だろうからなぁ。ただ、「先延ばし、棚上げ」する事で、それ以外の地域の問題解決を優先するのも、交渉術の一つとは言えると思うけれど。

仮に、停戦が確定し、ロシア軍がウクライナから撤退したとしても、戦闘で廃墟と化した都市再生をするのは生半可なことでは無いでしょうね。どうしても日本だと、阪神とか東日本のような大災害後の復興をイメージするのですが、範囲としては何倍何十倍もの被災地を復興させないといけないわけで、その費用はもとより、復興に必要な多分5年とか10年とかいう時間の長さが、元々の都市の活力も奪っていくような気がしますね。さらに言えば、仮に復興したとしてもロシアの脅威は残るわけで、かといって対策として戦力準備すれば、それがまたロシアの二度目の侵攻の理由にさせてしまうかもしれないし。停戦となり、戦地の復興となれば、日本としても全力で支援できる分野な訳だから、そこは日本としても出来る以上の支援を届けて欲しい。一方で、ロシアに対してはやはりこれまで以上に厳しい制裁が必要なわけで、日本としては北方領土とか天然ガス等の輸入元という弱みはあるけれど、やっぱりそれを捨てるくらいの覚悟でロシアに対して行かないと、やはりこれまでのように甘く見られて足下をすくわれるだけの未来になりそう。 

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