2021年11月21日

警視庁イーグルス

アメリカの「国技」であるアメリカンフットボールは、日本ではマイナースポーツ(競技人口は学生・社会人合わせて約2万人)で、スポーツ新聞(殆ど日刊スポーツ) に取り上げられることはたまにあるけれど、一般紙に掲載されることはお正月のライスボウルを除けば殆ど無い。それが、シーズン終盤とは言え、XリーグのしかもトップリーグであるX1 Super(最上位8チームのリーグ戦)では無く、その一つ下のX1 Area (12チームが3地区に分かれてのリーグ戦)の話題が、一般紙に掲載されるなんていうのは初めてかもしれない。それは、「警視庁のアメフトチーム」という、かなり特殊な組織のマイナースポーツだからという属性が大きいとは思うけれど、そう言う立場にチームを押し上げたのは関係者の努力の結果なのだから、そこは誇るべき話。

来シーズンからX1 Superは、現行の8チームから4チームが増えて12チームでの2ブロック制に移行する予定。今シーズン終了後には、X1 Areaの12チームのうち上位4チームが自動昇格するため、例年以上に熾烈な戦いが繰り広げられています。現時点では、アサヒビールシルバースターとアサヒ飲料チャレンジャーズが昇格を確定させており、今日の午後この2チームによる全勝対決が予定されています。残り二つの昇格枠を狙うのは、イコールワン福岡SUNS、警視庁イーグルス、ディアーズフットボールクラブ、電通キャタピラーズの4チーム。この中で、イコールワン福岡と電通は、今日直接対決があって、イコールワン福岡は勝てば昇格確定、敗れても他チームの結果次第で昇格が確定。電通は、敗れれば駄目ですが、勝っても他チームの結果に依存する場合も。残る警視庁は、勝てば自力での昇格決定で、敗れても他チームの結果次第では昇格の可能性も。正直なところ、警視庁の対戦相手の名古屋サイクロンズは、今季全敗中なので、警視庁が勝つ可能性はかなり高いと言えますが、名古屋も以前は昇格争いをするようなチームだったので、安心は出来ない。

X1 Areaの最終節の試合は昨日から始まっており、今日は電通vsイコールワン福岡と、ディアーズvs富士フイルムの昇格争いの2試合と、アサヒ飲料vsアサヒビールの全勝対決の試合が予定されています。で、火曜日の祝日に警視庁と名古屋の対戦があり、ここで残り2枠の昇格チームが決定。警視庁の昇格が決まるかどうか、注目の一戦になりそう。テレビ放送は無くて、有料のインターネット配信だけなんですが、警視庁には頑張って欲しい反面、来シーズンX1 Superで戦うだけのリソースがあるか、そちらとの兼ね合いも大変そう。Xリーグの場合、殆どの選手も仕事を持っている社会人で、彼らも練習や試合の時には、基本週末や祝日なんだけれど場合によっては有休を取ったりして参加するなど、仕事もそうだし家族との兼ね合いも必要。まだまだ現役で、しかも日本のトップクラスの選手も、家庭優先で引退していった例も少なくないですからね。警視庁も、昨年のコロナ禍の時もそうだし、その前も確か伊勢志摩サミット(2016年5月)の時も、確か春のシーズンは試合辞退していたと思う。その他、リーグ戦でも警備などの都合で試合日程を面していたこともあったように記憶して居ます。そう言う制限はあるけれど、やはり存在自体がインパクトあるものなので、昇格したらX1 Superでその存在感を見せて欲しいですよね。

X1 Superに昇格すると、リーグ参加費がこれまでよりもかかるわけで、結構各チーム財政的に大変な部分もあるんですが、前回警視庁が昇格チャンスがあったときに、小池都知事は「ちゃんとサポートする」と言ったとかで、取りあえず財政面では問題無さそう。課題は、選手の異動が読めない事と、リクルーティングも難しいところで、スタッフも含めて組織体として安定出来ない所でしょうね。逆に、仕事柄基礎体力とか運動入力に関しては、多分社会人の中でもトップクラスだろうから、そういう部分を維持しつつ効率的にフットボールに必要なシステム導入をどれだけ出来るかだろうなあ。今週末は中々目が離せない試合が続きますね。

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