2021年8月7日

悲喜交々 (2)

昨日の東京オリンピックも、勝者有り敗者有りの悲喜交々の結果に。元陸上部(短距離の100m/200m)としては、やはり4×100mリレーは余りに衝撃的な結果で、陸上の神様は時には残酷な判断をするのかなぁという気も。私も、中学、高校と4継(4×100mリレー=4×100m継走→縮めて「4継」)を走っていたので、あのバトンリレーの微妙なタイミングって何度も失敗もしたし、奇跡的にリレーゾーンぎりぎりで渡って好記録が出たことも。 

自分が現役の頃は、スターと地点から100m毎の地点の前後10m(合計20m)が「バトンゾーン(テイクオーバーゾーン)」で、バトンゾーンのさらに10手前が、次の走者がセットをしてスタートできる「加速ゾーン」でした。末年前にルールが改正されて、全体のゾーンの長さ(30m)は変わらないけれど、加速ゾーンも含めて「テイクオーバーゾーン」として使用可能なので、2走と3走は最長で130m走る可能性もあります。だから、ここには100m走の選手でも、200mも走れるような馬力とスタミナのある選手が配置されることが多かったように思います。私は100mを超えると失速するタイプだったので(笑)、殆どの場合は1走でしたねぇ。

リレーのバトンは、「どの位置で渡すか」と言うよりは、バトンを持ってきた走者と受け取る走者のスピードが、どちもに最高速度の時に渡せるのが一番なので、今の30mのテイクオーバーゾーンルールなら、極端な話ゾーンの最初の10m位の所で渡しても問題無い。ただ、受け取る方は静止した状態から加速するので、どうしてもそれなりの距離は知らないとトップスピードには届かないので、最低でも20m位は走るし、日本の場合はさらに引っ張っている気がします。実は、決勝の場合とか、着順や記録で次のレースに入るぎりぎりの場合には、加速開始の位置を通常よりも、例えば半歩とか一歩伸ばして、さらに限界に挑む場合もあります。一応、そう言う練習もしているはずなんだけれど、そう言う場合は緊張感も最大になるわけで、どうしても耐ミンクが連れるか農政が高くなるもの。それが、スタートが少し遅れて詰まるのであればバトンも渡るので良いのだけれど、距離を伸ばしてさらに早くスタートしてしまうと、テイクオーバーゾーンぎりぎりのタイミングがさらに伸びてしまいオーバーゾーンの反則になってしまう。テイクオーバーゾーン内で間に合う、間に合わない、というのは、バトンを持った走者から見ると走り出しから分かるので、「危ない」と思うと声を掛けて加速を少し遅らせたりしたものですが、今の場合はそう言う事をやっている余裕も無いほどタイミングが厳しいのかな。私も昨日の夜テレビで見ていて、2走の山縣亮太選手のスタートが「あっ(早い)」と思った程ですし。1走の多田修平選手の走りが良くて、多分トップに近い順位で持ってきただけに、あのままバトンが続いたら37秒台の結構良い記録が出ていた気がします。

日本の4継は、バトンの正確さとタイミングの絶妙さが売りだっただけに、肝心の半ドンリレーで、それも最初のバトンリレーが失敗して失格してしまうというのは、やっぱり衝撃としては大きいと思う。ただ、それが試合だからなぁ。前回のリオ大会などは、その緊張感が良い刺激になって綺麗にバトンパスが決まってのメダル獲得だったと思うし、それは仕方ない。選手や関係者はショックだったと思うけれど、網気持ちは切り替えて次のレースに向けて準備を始めて欲しいですよね。ただ、世界で勝つためには、バトンリレーの精度だけでは勝てないことも事実で、やはり100mや200mで少なくとも決勝に安定して進めるくらいの走力が無いと厳しい。次のパリオリンピックまでは3年と短いインターバルですが、どれだけ個の力を伸ばせるか、今回出場した選手やそれに続く選手の活躍を期待したいですね。

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