2021年6月1日

かかりつけ医

今回のワクチン接種で、特に高齢者対象のワクチン接種では「かかりつけ医」が大きな存在になっています。自宅近く、あるいは以前から診察して貰っている「馴染み有る医院」みたいな存在だと思うんですが、私もそんな病院の一つに通っています。元々は、もう10年位前だろうか、会社の定期健康診断で、もともとちょっと高めだった尿酸値が、その年はかなり高い値が出て、診察後の産業医問診に指名で呼ばれてしまい「このままでは、定年まで持たないよ」と言われたこと(苦笑)。当時、既に在宅勤務で浜松に戻っていましたから、慌てて自宅近くの内科医院を探して診察してもらい、それから二月に一回定期検診で来院するようになっています。

子どもの頃は、よく熱を出したりしていて、自宅近くの内科医院に一年に一回位は行ってお尻に注射を打たれていました。その病院も当時の先生は既に引退されていて、確かお嬢さんが小中高の後輩で医大に進学したはずですが、今はどうしているか不明。 高校卒業後は、浪人、大学、社会人と四半世紀以上浜松を離れていたので、当時何らかの形で通院していた病院や医院の半分くらいは既に廃業していましたし。逆に、ここ数年祭開発されている、昔は田圃と畑しか無かった自宅回りは、新興住宅街のようになっていて、県内最大規模のイオンモールを核に、その回りに個人病院や介護施設等もどんどん出来ていて、ある意味個人医院は充実している状態。だから、その時に診察して貰う病院を決めるのも一寸迷ったんですよね。幾つかあった候補の医院のうち、最も近い医院に最初使用かと思ったんですが、そこよりも少し先にある循環器系の病院の方が良いかなと判断して決めたもの。後から知ったんですが、一番近い医院は、凄く混雑する事で有名で、予約をしても1時間2時間位待つのは当たり前とのこと。実際に自分で選択した方の医院は、そう言う事も無くて、まぁ2カ月に一回の定期検診で今の所通っている状態なので、それはそれで良かったかなと思っています。

で、「かかりつけ医」という意味では、その通っている医院が該当すると思うんですが、逆に「かかりつけ医」を一人一人に定めようというこの提案には一寸疑問が。「かかりつけ医」が今回重要な役割を果たしているのは、一つは患者側特に高齢者が都度通院していて、その医院なり担当医と馴染みがあり信頼感が醸成されているから。また医院側としても、その患者さんの状態を把握出来ているから、問診もしやすいだろうし、万一の場合の対応も可能でしょう。そこには「かかりつけ医」としての蓄積があるから、有効に機能していると言えます。ところが、たまたま自宅近くだから、たまたま知っていたからと言う事で「かかりつけ医」登録していて、今回の様に何か必要になったら急に来られても、多分医院側は困るでしょうね。言ってみれば、初診なのにいきなり深い診察をしろと言われているようなものだから。もしかしたら、何か持病を抱えているかもしれない人に、いきなり注射するのもかなりリスクが高いでしょうし。知らないうちに「かかりつけ医」認定されてしまう方も、混乱もするし困惑もするだろうなぁ。

もう一つ思うのは、これが逆にこれまで問題になっている高齢者の病院通いによる医療費高騰などに繋がらないかという事。医療費の増大は大きな問題なわけで、それがさらに膨らむ要因になるかもしれない。「それでも、お金よりは人の命」という意見は正しいと思うけれど、それも限度がある事も現実。何かを削減して、それをこの「かかりつけ医」の費用に回すとなると、その削る部分は大丈夫なのかという心配も。高齢者の場合は、やはり年齢に応じて色々不具合を感じる部分が出てくるものなので、ある意味殆どの人はかかりつけ医に通っているでしょう。ですから、特にこう言う想定をする必要は無い。課題は、若年層とか中年層当たりかな。特に男性の場合は、病院嫌いな面もあるし、私も会社の健康診断が無ければ、何十年振りに内科に通うことも無かったわけだし。災害時の対策として、「非常持ち出し袋」みたいなものの一部として、自分の病院登録みたいな事が出来れば理想ですが、登録だけされても病院側も困るでしょうし。例えば会社員なら、その登録した病院に定期健康診断の結果が送られて、仮想的な問診が出来るとか、何か患者側と病院側で定期的に意思疎通できる仕組みも作らないと、単に登録しただけで終わりそう。このあたりは、人権問題とかプライバシー問題とか、いろいろ課題も多そうですし。デモ、実際自分もこの年になり色々経験してくると、やはり年に何回か自分の健康状態を診察して貰えるような場所は確保しておいた方が良いと実感します。二月に一回でも、四半期に一回でも、問題ないのであれば「問題なし」と確認出来る機会は重要だと思いますね。

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