2021年5月31日

「圧力」と「圧力」

「一日100万回接種」「7月末までに65歳以上のこれ医者接種完了」という政府の目標に対して、各首長に圧力をかけているという記事が、毎日新聞産経新聞、その他メディアで報じられています。別に政府の肩を持つわけでは無いけれど、元々ワクチン接種スタート時の目標が「100万接種/日」だったり、「6月末までに65歳以上接種完了」だったわけで、後から急に前倒しされてきたわけでは無い。勿論、目標に対して現実は厳しい自治体も多いだろうけど、それに対して政府としても支援すると言っているのだから、自治体は自治体で「打ち手が足りない」「会場が無い」「データ整理が追いつかない」「人手が足りない」等の要求をすれば良いし、それが満たされなければ「支援無しでは達成不能」という事も言えるはずだし。

これらメディアでは「政府の圧力」と言うけれど、日々ワクチン接種やコロナ禍の状況を伝えるメディアもある意味「圧力」をかけていますよね。例えば接種率の順位表なんて、和歌山県だったかな、進んでいるところは良いけれど、47都道府県中最下位とか、もっと小さな市町村単位でも「〇〇はまだ××%にも到達していない」みたいな言い方は、実状を理解せずに数値だけでランク付けしているわけで、虐めみたいなもの。昨日の自治体共有サイトみたいな取組は良い事だし、もっと広めるべきだと思うんですが、同様にそこにまだ乗っていないような各自治体のアイデアとか、摂取効率化のための工夫みたいなものこそ、もっと伝えるべき情報じゃないだろうか。凄く心が曇っている自分が(笑)凄く穿った見方をすると、そう言う事をすることはワクチン接種を加速させて、それは結果的に菅政権の功績になるからしたくない、みたいな気持ちが、一部メディアには隠れているような気すらします。

その圧力が功を奏しているのか、あるいは各自治体の担当者の努力の賜なのか、先行している自治体に対しては64歳以下の対象者接種や、職場接種など自治体で柔軟に対応するように、田村厚労相が昨日フジテレビの番組で発言したみたいですね。自治体に自由裁量を委ねるのは良いとして、ただそこには行政サービスが停止しないように、有る程度の優先順位を付けることも必要じゃ無いかと思いますね。例えば、市長とか市職員に病院関係をトップに介護施設や保健所等、新型コロナウイルスの最前線やこれまでクラスター発生が多い環境。そして、社会インフラサービス関係の職場が最優先かな。特に地方に行くと、やはり昔ながらの繋がりみたいなものがあって、どうしてもそう言うものが「暗黙に優先される」事も有るだろうし、それで本来必要な人の優先順位が後回しにされることの無いように、有る程度上からの指示を明らかにしてそう言う隠れた順番を押さえることも必要じゃないかと思いますね。ただ、それすらも「圧力」という人はいるだろうけど。

浜松市内の集団接種も、市内のイオンモールで始まり、今日からは天竜区から、今週末からは市街地の中区等でも集団接種が開始されて、市内の全区で集団接種がスタートする事に。さらに、イオンモール会場の予約者数を増やしたり、説主会場の増設も明日からすると市の広報にも掲載されていて、段々と接種スピードも加速している様子が伺えます。一時よりは落ち着いて来たとは言え、今静岡県内で陽性者数が多いのは、浜松市を中心とした県西部地域なので、早くワクチン接種が進んで欲しいですね。病床利用率も、少し前までは20%前後だったのが、一時は60%位まであがり、最近では50%位までやっと落ち着いて来たところ。東部、中部地域は20%前後なので、西部地域が落ち着けば、静岡県の状況もかなり安心出来る状態になるんですが。台湾とかシンガポールの状況を見ても、徹底的な隔離政策と行動制限で感染拡大の抑制は出来るけれど、外部からひとたびウイルスを持ち込まれると、逆に無菌状態の環境だから一気に感染拡大するリスクも再認識されました。外部から完全にウイルスが駆逐されるまでは、隔離政策を継続するしか無いわけで、やはりワクチン接種で抗体を多くの人が持つようにしないと駄目という事は明らか。日本の場合は、色々批判はされながらも、緩い隔離政策で世界でもトップクラスの感染抑制状態が続いていて、そこに今回のワクチン接種が加われば、かなり劇的な効果が得られると個人的には期待しているのですが。それでも、長く非常事態宣言が続いてストレスが溜まっていることは理解出来るけれど、結局最後は一人一人の意識が最大の特効薬であることは変わりないのですが。そう言う方向には、もう少し「圧力」をかけてもいいきがする。


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