アメリカにNFL (National Football League)があるように、カナダにはCFL (Canadian Football League)があります。2019年に、日本のX-Leagueとパートナーシップを結ばれ、昨年はコロナ禍の影響で中止されましたが、日本からCFLへ挑戦するパスが出来ました。アメリカ人、カナダ人以外の海外選手を対象に、正規選手2名、練習選手3名の5名の枠を各チーム(全部で9チーム)が持ち、そのうちの4名分のドラフトが日本時間の今日の早朝に開催されました。
世界各国からの候補選手は300名位いて、その中からある程度絞られた選手からドラフトされます。日本からは、12名がリストされ、その中から6名が今回のドラフトでピックアップされて最初の関門を突破。内訳は、キッカー(K)が二人、オフェンスライン(OL)が一人、ラインバッカー(LB)が二人、ランニングバック(RB)が一人。日本人以外の選択選手も含めて感じるのは、カナディアンフットボール(CFL)のNFLとは異なる特殊性みたいなもの。NFLも含めて、アメリカンフットボールの試合人数は11名ですが、CFLは一人多い12名。さらにフィールドサイズも縦・横ともにNFLの企画よりも大きく、またTDを狙うエンドゾーンの奥行きはNFLの倍の20ヤードあります。したがって、試合はパッシングオフェンス中心で、点の取り合いによるシーソーゲームになりやすく、それがCFLの魅力の一つとも言えます。今回、QBのドラフトが無かったのは、やはり試合の組み立てや実行で外国人としての難しさがあるのかなとちょっと感じます。また、レシーバーも、ワイドレシーバー(WR)が二人、タイトエンド(TE)が一人選択されていますが、今回4人のWRが居た日本人メンバーからの選択はゼロ。能力的には、どの選手も十分ドラフトに値すると思うのですが、考えられるのはコミュニケーションの問題(英語力)、とサイズかなぁ。一応、各チーム2名の選手と3名の練習生の選択権があり、今回はそのうちの4人分が行使されたもの。各チーム、後一人分のドラフト権が残っているので、今後何処かのチームから声が掛かる可能性は高いと思いたいですね。
メジャーリーグが、頂点のMLBから、3A、2A、1Aと階層構造が作られていて、下部組織からMLBへの昇格もありますが、CFLとNFLの関係はそうでは無くそれぞれ独立した組織だから、CFLに居るからNFLに昇格できるわけでは無い。ただ、NFLとしても例えば欧州リーグからよりも、即戦力になりやすいCFLから選手を持ってくる方が、リスクも低いわけで、CFLというものがNFLのある意味バッファーみたいな存在であることも事実。ただ、NFLとしては潤沢なUSカレッジフットボール界から優秀な選手がどんどん生まれてくる中、CFLや海外リーグから選手をピックアップする理由は、よほどの理由=レギュラーが怪我をして即戦力が今すぐ欲しい、というような場合だろうから、それに答える成績を先ずは残して、NFLスカウトの目にとまるようにするのはさらに大変。今回選択された選手も、5月からのキャンプに参加し、そこでセレクションされて6月に登録されれば「日本人初のCFL選手」になれます。その後、6月中旬から10月まで、CFLのシーズンは続きますが、その中で出場機会が得られれば、8月からのNFLシーズンで収集される可能性も生まれてきますが、まだまだ険しい道のりでしょうね。
今回選ばれた6名のうち、RBの李選手(OBIC)は、NFLを最初から狙っているから、ドラフト指名を受けたけれどCFLには行かずに、NFL挑戦を続ける可能性が高いので、実質5名のうち誰かが日本人初のCFL選手になる可能性が今の所あると言えます。ちょっと以外だったのは、OLやLB等、結構日本人が不利と言われるサイズが必要なポジションに半数が選抜されたこと。それでも、OLの町野選手(富士通)は、197cm/136kgと十分なサイズだし、LBの二人、丸尾選手(アサヒ飲料)も183cm/102kg、山岸選手(富士通)は182cm/102kgと、LBとしては十分なサイズですからね。ただ、サイズは互角でもスピードは日本選手とはかなり違うと思うので、それにどれだけ対応出来るかで、今後の生存可能性が決まりそう。残るキッカー(K)は、佐藤選手(IBM)が178cm/80kgと山崎選手(OBIC)の173cm/85kg。サイズ的にはアメリカ人的には小さい方なのかもしれない無いけれど、フットボールのポジションのうち、唯一コンタクトされないポジションなので、サイズは余り関係無い。純粋にキック力だけが問われるポジションなので、可能性的にはこの二人が一番近いかもしれません。いずれにしろ、次の関門6月のロースター登録目指して頑張って欲しいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿