2021年2月18日

空間除菌の効果

最近テレビCMでも良く見聞きするようになった「空間除菌」製品の、中でもその代名詞になっている「クレペリン」。 昨今の新型コロナウイルスにも効果があるという触れ込みで、ある意味ブームにもなっている気がするんですが、専門家である医療従事者からは、その効果に疑問を呈するとともに、特に体力的に弱い子供の居る場所での使用には警鐘を鳴らすほど。

単純に考えて、どんなに微細な粒子にして薬液を空間に噴霧しても、ウイルスのサイズと違いもあるし、いつまでも空間を浮遊しているわけでは無く、重力でどんどん降下することを考えると、実験室でのデータほどに実際の部屋などでの効果が発揮されるとは考えにくい。さらに、それらの薬液で満たされた空間の中で生活すると言うことは、それを人間も呼吸によって吸い込むわけで、その安全性はどうなのかはCM等では触れられていない。とあるCMでは、そんな状況の部屋の中で子供がオモチャを舐めているシーンがあったけれど、個人的にはちょっとゾッとするシーンだったなぁ。

仮にそんなに効果があるものなら、病院とかでもどんどん使用して居ると思うけれど、ここ最近訪問した大学病院とか地域の拠点病院みたいな所では見たことが無い。毎月通っている歯科医院にも無かったし。医療関係のタイムラインとか見ていると、殆どの人が使用を否定しているんですが、商品の開発元とかどう言う考えで販売しているんだろうか。薬品メーカーだけでなく、最近では家電メーカーなんかも次亜塩素酸噴霧機能を売りにしている製品をだしていたりするし。

似たような商品で、首から提げるタイプの物が一時流行って、それも殆ど効果が無いと言う事で最近では殆ど観なくなりました。「次亜塩素酸水」自体に除菌効果が無いわけでは無くて、正しい使い方をすればその機能は発揮されるんだけれど、間違った使い方をしているから、本来の除菌効果が発揮されないだけで無く、健康被害のリスクの方が大きくなるという、まさに本末転倒な結果になるわけですよね。以前は、そう言うリスクを無視した悪徳業者が殆どでしたが、最近ではそれなりに著名なメーカーも、肝心なところの説明無しで商品を拡散しているのは、企業姿勢としてどうだろうか。

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