2021年2月18日

見出し詐欺

以下略ちゃんのコラムから、ニュースポストセブン(週刊ポスト)が掲載した、森氏の記事に関しての「見出し詐欺」的事案に関して。 見出しの「「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金」は、二つの誤解を生む言い回しですよね。

一つは「無報酬」について、森氏は組織委員会会長職としての報酬は「無報酬」と言っているのであって、自身の収入がゼロであるとは言っていない。その会長職の報酬も、規約上「無報酬」では務められないので、最も低い等級の報酬は貰っているけれど、それはそのまま寄付しているという話も。いずれにしても、事実上「無報酬」で会長職をしていることは事実なんだけれど、それを騙しているような印象を与える言い方な事は確か。さらに後半の「年6000万円献金」にしても、これでは「毎年6000万円もの献金を受けている」と受け取られてしまいます。しかし記事を読む限り「年6000万円の献金」と言っているのは2014年に関してであり、それ以外の年に関してはどうなのかは不明。その献金を集めていた政治資金管理団体自体2017年で解散しているので、森氏が他にどの様な収入・報酬得ているかは不明だけれど、少なくとも献金に関しては2017年以降は無関係な話。

その献金に関しても、とある人が政治資金収支報告書を確認して見ると、ラグビー協会等への団体への寄付や、経費種出等が記載されていて、特に不自然な部分は無いもので、問題とされる内容は見つかっていない。唯一関係ありそうなのが、記事にも書かれている地元のパーティションメーカーからの「40万円(2014年)」だけで、これも国内シェアトップメーカーだけに、東京2020関連施設との契約があっても不思議ではないし、金額的にもそんなに影響するような額とも思えない。週刊ポスト側の意図がどこにあるのか分からないけれど、取り上げている一つ一つの事柄は確かに「事実」ではあるんだけれど、それをドラマの編集よろしくつなぎ合わせて、一つの「ストーリーを描いている」気がする。森氏に関わる疑惑の取材というよりは、森氏をネタにして読者が食いつきそうな話を作っているだけにしか感じられない。

問題なのは、そう言う曖昧な話を確認もせずに取り上げて、それが恰も事実のように扱い拡散する著名人や議員が多いこと。結局、元ネタの内容が真偽不確かな物であっても、そう言う有名人が取り上げることで「裏書きされた」ようになり、いつの間にか「事実」として拡散してしまうこと。元々の森氏の発言にしても、「女性差別と取られかねない言い回しを自身の発言の中で引用した」のに、いつの間にか「森氏が女性差別発言をした」に変わっているわけで、これは日々何度も報道しているメディアの責任が一番大きいのだけれど。いずれにしても、「見出し」というのは、その記事本体を「商品」と考えたら、その商品を簡略に説明するものなわけで、そこで使ってもいない材料表記したり、消費者が誤解するような表現が使われたら、一般の商品なら即座に流通停止になる話。でも、情報商品に関しては、その内容がどうであれ「言った者勝ち、書いた者勝ち」の世界な訳で、それをいいように利用しているのが、今メディアのずる賢さの気がする。

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