2021年1月21日

裏取りしないメディア

共同通信社が、「政府関係者」からの情報として「一般の人への接種開始を5月ごろと想定している」と報道。ところが、ワクチン担当大臣になったばかりの河野太郎大臣が即座にそれを否定
さらに、NHKが同じ内容を報道したらしく、それに関しても河野大臣は否定する事に。

それに対して、「厚生労働書がスケジュールを発表している」という書込もあり、どうもこのページに掲載されている「資料1」のページ46からの内容を指摘している様子。確かにページ47の市町村準備スケジュールを見ると、これ医者以外に対してのクーポン郵送が4月末に行われるので、接種は5月頃に始まると想定は出来ますが、実は摂取時期に関して言及している部分は見た限りではページ68に記載されている部分のみ。これを見ると、住民への接種は3月下旬から始まることになりますが、確定情報では無くワクチンの契約や供給時期による変動すると注釈も付いています。ここで一寸変に感じてもう一度資料を見直してみると、拍子には「自治体説明会① / 令和2年12月18日」と書かれています。一月前に開催された自治体向けの資料に掲載された情報なわけで、その為スケジュールのタイトルにも「(イメージ)」と確定情報では無いことが示されています。

「政府関係者」がどこの組織のどの程度の立場の人間からの情報か不明だけれど、あくまで最近の状況を見て「5月位じゃ無いのか」という程度の発言を、大々的に取り上げているような気がします。ページ46に掲載されているスケジュールには、今月下旬頃に「第2回自治体向け説明会」を予定していることになり、多分ここでより具体的な状況説明とスケジュールが提供されるんだろうけど、それに対して変なバイアスを与えることになるんじゃ内だろうか。考えてみたら、自体が出来るのは接種事業の管理運用までで、実際にワクチンを接種するのはそれぞれの指定病院だろうから、そちらの状況が決まらないといつから可能になるかなんて言えない。場合によっては、今から予約や問合せが集まり、そうで無くても混乱している医療行為がますます混乱することになるかもしれない。今回の報道だって「5月」という日付けがメディアから出た途端に、病院への問合せが増加したとしたら、それはメディアの役割として不適切行為とも言えるんじゃ無いだろうか。

今の所、厚生労働省が正式に「ワクチン接種」に関して発表しているのは、1月18日付けのこのアナウンスが最新で、ここで言及しているのは「(最優先の)医療従事者等への最初の接種が2月下旬から始められるように準備を進めています」という部分だけ。これが前倒しされれば、一般への接種も前に来るかもしれないし、今後のワクチン確保状況などによっては逆に送れるかもしれない。恐いのは、「5月」という話だけが一人歩きして、これが遅れても早まっても批判される材料になる事。それによって、接種事業が混乱すれば、結局不利益を被るのは国民になるわけだし。あるいは、すでにHPVワクチンのような「反ワクチン」みたいな事も言い出している状況を見ると、実際に接種が始まるとますます混乱する気がする。本来は、そう言う混乱を出来るだけ少なくするために、メディアは確実な情報を提供するべきだし、「公共放送」として「受診料」まで徴収しているNHK位は、ちゃんと裏付け取材をして「事実」を報じるべきだと思うのだけれど、それが出来ないからますますメディア不信だけが大きくなるんですよね。

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