先日決着が付いた「大阪都構想」が、何故か静岡県に飛び火?! まぁ、以前から静岡県と静岡市の行政が重複している、二重行政という事で、私的には川勝知事の田辺市長攻撃みたいな風に感じていたんですが、今回の大阪都構想に乗じてか何なのか、大阪市で「都構想」は否決されたけれど、静岡県には「県都構想」が必要と提唱。
以前も一寸書いた記憶があるんですが、東京都の23区を除いて、全国の都道府県とその中の市町村というのは、それぞれ役割分担をしているはずで、基本その関係での重複は無いはず。ただ、中核都市とか政令指定都市になると、都道府県から権限委譲があり、都道府県の一部機能をそれら都市が代替できるという仕組みは、全国何処も同じはず。だったら、それぞれが話合いをして、重複とか過剰設備等を排除して、それぞれにとって最適な物を作れば良いだけの話しだと思うんですが、それが出来ない理由は何なんだろうか。「県立〇〇」と「市立〇〇」が近い地域に存在するとしても、県立施設は県内全体を賄うことが目的だろうし、市立施設は市民を優先すれば、それはそれで棲み分けは可能でしょう。さらに言えば、より高度な技術レベルを県立施設は提供するだろうし、例えば「病院」だったとしても、その目的や内容に違いは生まれるだろうし、そう言う棲み分けをすることが、それぞれの施設を作る意味にも成るだろうし。
東京都の人口は約1,350万人ですが、23区民だけで930万人近くもあり、都民の70%近くもの人口密集地を一つの市として扱うのは確か無理がある気がします。一方で大阪府の人口は約880万人で、大阪市の人口は約270万人と、30%程度。例えば、大阪市加えて、堺市(約84万人)、東大阪市(約50万人)、豊中市(約40万人)あたりの周辺都市も含めた「都構想」なら、地域人口が約444万人と大阪府の人口の半分を占める地域となるから、それならば「都構想」も意味を持ってくるような気がします。因みに神奈川県(約910万人)の場合、横浜市(約370万人)と川崎市(約147万人)で約517万人と、神奈川県の60%近くを占めるから、こちらの方がまだ「県都構想」に乗りやすい気もします。勿論、単に人口の多さだけで無く、23区の場合は面積的にも密集しているわけだし、経済的な事等いろいろな要素を考慮する必要がありますが、それでも大阪市だけを見ての「都構想」にはちょっと無理がある気がします。強いて言えば、西日本の中心都市として、また首都東京の代替機能を持つべき「副首都」的な意味合いでの「都構想」という考えもあるかもしれない。ただ、今回の報道を見聞きしている範囲では、そう言う話は聞こえてこないので、やはり「二重行政」と言っている説明不足が、やはり反対が僅かながらも上回った理由なのかなと。
再び静岡県の「県都構想」を見てみると、静岡県(約370万人)に対して、静岡市(約70万人)で、県内の2割にも満たない人口比率。浜松市が約80万人だから、それなら浜松を「県都」にすればいいんじゃね、と思うけれど、これは昔からの「浜松 vs. 静岡」の抗争を再燃させるだろうし(笑)。仮に「静岡県」を改革するとしたら、西部地方の浜松地域を「静岡県工業中心地」、中部地方の静岡地域を「静岡県商業中心地」、東部地方の三島・熱海地域を「静岡県の観光保養中心地」みたいな「兼直轄地」として、機能分割というか機能責任みたいなもので分担したらどうだろうか。さらに言えば、浜松市の場合は遠い静岡市よりは、県を超えるけれど愛知県の豊橋市とか豊川市あたりとの繋がりを密にしようとしているくらいだから、「都道府県」という今の行政単位も、近い将来には有名無実化するんでしょうね。仮想的な行政単位よりも、物理的な地勢的な結びつきの方が、現実的だしそこに住んでいる人間にして見たらより密接な関係になる事も事実だし。二回の住民投票で否決された「大阪都構想」ですが、地方自治や地方の効率化という、近い未来の日本を考える上での貴重な「実験」あるいは「トライアル(=試行)」であったとは言えるんじゃ無いかと思います。
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