2020年11月2日

政治家としての矜持

昨日住民投票された「大阪都構想」の賛否は、約1万7千票差で「反対」が多数を占めて、都構想は二度目の否決に。この結果を受けて、大阪都構想を推進していた、維新の会の吉村大阪府知事は、自分の任期中には都構想を進めないことを明言し、松井大阪市長は現在の任期を全うした後、政界から引退することを明言。事実上の敗北宣言ではあるけれど、まぁそれなりに責任を果たしたのかなと言う印象。

一方でちょっと感心したのは、大阪府自民党の幹事長の会見で、菅総理大臣は「賛成」の意見だったようですが、地元の大阪府自民党は公明党が「賛成」に回っても「反対」を主張。結果的には彼らは住民投票に勝ったけれど、「賛成」との票差はわずかという事で、そちらの民意も尊重できるように今後府政を進めるみたいな事を言っていて、まぁそこは大人の対応なのかなと、と。同じく反対していた共産党の会見も見たけれど、こちらは「正義が勝った」みたいな感じのインタビューで、まぁ共産党はやっぱり共産党だったかと。

で、予想通りガッカリしたのが、何時もの立憲民主党。大阪都構想に関して何か言うのかと思ったら、今回の維新の会の敗戦で、党勢も下がるだろうから、次の衆議院選挙に有利になるみたいなことを言っている。まぁ、同じや統制力であっても、どちらかと言えば与党よりの立ち位置の維新の会は「目の上のたんこぶ」的存在だから、そりゃぁ相手の失敗は自身への利益になるわけで、その気持ちは分かるんだけれど、主旨は「大阪都構想」なんだから、それについて賛成・反対を政党として言うべき何じゃ無いかと思うけれど。

今回は、直前に意図的かどうか不明だけれど、虚偽情報が大手メディアから流されたり、いろいろ反対運動が以前よりは激しかった印象があります。ただ、個人的に思うのは、「東京都」が出来たのはもうかなり昔の話だし、今の都下23区の行政というのは、殆どの人が生まれたときから有った物で、それが自然であるもの。一方の「大阪府・大阪市」は、多くの人が慣れ親しんでいるものであるし、「大阪市」と言えば日本を代表する、世界的にも知名度も高い有名な都市。それが「無くなる」と成れば、経済的、政治的理由は理解しても、やはり心境的には抵抗感は大きいんじゃ無いだろうかと思いますね。仮に「静岡県浜松市」が無くなるとなれば、多分行政の効率化という点では理解しても、生まれたときから住んでいる場所の地名が無くなる事への抵抗感は、やっぱり大きいと思う。そう言う心情的な物を覆すだけの、現在の行政システムのデメリットを遡及できなかったところが、二回の敗戦に繋がるのかなと思いますね。ただ、今後人口が減少していく中、色々な形で行政や経済の効率化は進めないといけないわけで、その為には都構想なのか道州制なのか、地方自治体の効率化は必須項目でしょう。大坂だけで無く、少なくとも全国の政令指定都市が今後のことを真剣に考える機会になって欲しいですね。

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