2020年10月9日

教養レベル

 地元の川勝県知事の、またもお騒がせ発言。日本学術会議の任命拒否問題は、

「菅義偉首相の教養レベルが図らずも露見した。おかしいことをした」

と言ってしまう。 まぁ、この人は県知事に出馬する前は浜松の静岡文化芸術大学の学長だったから、立場や考え方的には日本学術会議に近いのかもしれないけれど、他人の「教養レベル」とは何よと小一時間。

日本学術会議に関しては、以前も書いたように組織として本来の趣旨や目的に沿った活動をしているのかと言う疑問を感じるわけで、今回の任命挙に関しても、「これこれ斯く斯く然々の十分な理由があるのだから、任命されるべき」と言うならまだしも、「学問の自由侵害だから撤回せよ」では通じないと思うし。大体川勝知事が言うところの「教養レベル」とは何なのか。仮に何らかの疑問があったのだとしたら、少なくとも安倍政権で官房長官を7年以上も務めていた間に、何故その問題を指摘しないのか。この記事の文章だけで判断するのは軽率かもしれないけれど、それでも彼のこの一言の方がそれ以上に軽率かつ理由のない一言だと思う。

「教養レベル」を、一般的な常識が足りないとか、論理的な説明や話が出来ない、粗暴な言葉を使って相手を威圧する、あるいは反論を許さない、その地位において適切と思われるような態度なり行動が取れない、みたいな事を熟々考えると、申し訳ないけれど川勝知事には多くが当てはまる気がする。例えば、静岡市市長との軋轢とか、富士山静岡空港直下の新幹線駅の話とか、リニアモーターカーのトンネル工事に関わる話とか、就任当時から個人的には「何てファナティックな人なんだろう」という印象が消えない。特に静岡市の田辺市長とのやり取りは、もう何か「いじめっ子」の態度にしか見えないんですよね。で、一方で同じ政令指定都市の浜松市の鈴木市長に対しては、「お好きにやれば」と突き放したような印象が強いし。県知事なら県知事として、静岡県がより良く発展するように、その中核になるであろう静岡市や浜松市、さらには必要なら東部の中核となる沼津市あたりと、バランス良く政策なり経済対策を進めるべきだと思うんだけれど、どうもこの人の頭の中にはそんな考えは内容な気がする。

菅総理が、何かおかしいことをした、のであれば、その理由もちゃんと説明するべきですよね。その上で「だから教養レベルがどう」というのならまだ分かるけれど。結局は、法律が示している任命権を行使したら、それがおかしいと言われては、菅総理側としても困るだろうし。それに記事の中では、文科省や副総理が再考を促すべきだったと言うけれど、この日本学術会議は内閣府の機関な訳だから、直接の責任は内閣総理大臣。総理大臣が必要と思えば助言を求めることは有るかもしれないけれど、頼まれもしないのに意見をすることの方が越権行為だろうし。地方自治体の首長なんだから、その程度の理解力くらいはあっても良いと思うのだけれど。まぁ、結局は、人の教養云々を言う人は、先ず自分の教養が疑われていると思った方が良いかもしれない。

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